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344六歌仙の短歌教室。

 「えっ、あちきどすか?」


 「小町、この人達には何言っても大丈夫だ。」


 「はい、名前は小野小町どす。この時代の人には、六歌仙とか呼ばれているみたいどすなぁ。生まれは、近江国今の滋賀県大津市どすえ。お祖父様が、闇の世の宰相をしておるのでずっとそこで暮らしてましたへ。知ってはるかと思いますが、お祖父様は小野篁と申します。長らく、王の鷹人様の側近をしておりました。この度、晴様が闇の世を継いだのでこちらに付いて参りました。ふつつか者ですが、よろしゅうお頼み申します。」


 「ありがとう、小町ちゃん。晴明、大事にしろよ!」


 「秋人兄ちゃんも、嫁さん泣かすなよ。」


 解散して、それぞれ施設内を回る。


 イワノフとフレアスは、西町先生とゼレンスキーさんを伴って例のパワーサプライへと向かった。


 「この模様は、何ですか?」


 「こちらの聖母であらせられる真様が作った、魔法陣です。これがあるおかげで、日本中の地下エネルギーが蓄えられます。」


 「こんな、小さい魔法陣で?」


 「いえ、この地下には野口さんが作った馬鹿でかい分電盤が埋まってるんです。そこから、西町先生に頼んで作らせた配電所に送っております。」


 「それで、この国のエネルギーのどれくらい賄えるのですか?」


 「200%です。」


 「そう、今何て言いました!では、使えなくなった原子力はいいとしてたくさんある火力発電所は何ですか?」


 「ダミーです、後緊急事態に備えて。」


 「だから、この国はあれだけ強気だった訳だ。野口さんと言い、聖母様も凄いですね。」


 「考えたのは、聖母の夫君である天主様ですが。」


 「天主様と、言うのは?」


 「我がエッダ教の開祖であり、天主教の教祖様であります。」


 「法王みたいな方かなぁ、二つも宗教を治めるなんて。」


 「本人は、宗教嫌いでずっと逃げ回っていますけどね。」


 「よく、わかりませんね。」


 「ゼレンスキーさん、彼が向こうに行った堀谷希人君。神、そのものなんだよ。」


 「なる程、総理も彼を信仰なさっているのですか?」


 「そんな事したら、彼から絶交されるよ。」


 「やっぱり、よくわからん。」


 「大統領、彼が座長で野口さんは脚本家そして聖母は看板女優の様なものです。」


 「それはわかりやすい、フレアスさん!」


 「では、私達を完膚なきまでに叩きのめしたのは座長さんだったのか。」


 「あぁ、希人君がいなければこの世界は又大戦を始めていただろう。事実、あの国は躊躇無く核攻撃を加えて来たからね。」


 「結局、支援だと言いながら自国の軍需産業の言いなりだったからなぁ。」


 「そういう意味では、私も希人君を利用した死の商人かも知れんな。」


 「総理、そんな事言ったら死んだ者は浮かばれませんよ。」


 「済まん、イワノフ君。戒めが、過ぎたよ。」


 「総理、私と一緒に新喜劇見に行きましょう。笑えば、いいので~す。」


 「そうだな、昔は学校から帰ったらテレビに齧り付いて見たもんだ。」


 「明日私達も、お付き合いしますよ。市井の生活も、覗きたいでしょ?」


 「君達と一緒なら、ゼレンスキーさんも目立たないな。よろしく、頼む。」



  「花の色は うつりにけりな いたづらに

わが身世にふる ながめせしまに」


 「わぁ、百人一首の歌よね。まさか、本人が詠んでいるの聞けるなんて。」


 「美世様、お母様、意味はわかります?」


 「ええと、イタズラに時を過ごしている間に桜の様な私の美貌も衰えてしまったって感じかな。」


 「さすが、公卿の一族ですわ。では、お二人も短歌を詠んでくださいまし。」


 まさか、小町の即席短歌教室が開かれるとは。


 嫁姑が仲良くしてくれるのは、良い事だ。


 「んで、郁恵伯母ちゃん。小町の検査データ、上がってる?」


 「堀谷病院から、送られて来たわ。普通の、10代半ばの女の子よ。あんたはまだ無理だろうけど、子供も作れるわよ。」


 「そっか、良かった。アンテッドかと思って、心配してたんだよ。それでも、オレの愛は変わらないけど。」


 「晴明、気持ち悪いわね。あんたこそ中身は、中年オヤジのアンテッドなんじゃないの?」


 「花梨ちゃんは?」


 「子供達みんなで、野口君が遊んでくれているわ。お前も、一緒に遊んでらっしゃい。」


 「子供達って、マコもおんねんやろ?あいつ、妙に絡むねん。」


 「あんた、何ぞ覚え無いの?」

 

 「無いで、ほとんど一緒に居る事も無いし。心当たり言うたら、米人を捕まえた事くらいかなぁ。」


 「それよ、その後いいように扱き使っているんでしょ?」


 「それは、あいつが望んだ事だよ。マコにあーだこーだ言われる筋合いは、無いで。」


 「母親は、いつでも子供の事が心配なのよ。」


 「あの、マコがねぇ。」

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