340波動エンジン、始動。
「波動エンジン、始動。微速前進、高度上げ。フライングゲット!」
フェリーが、大西洋を離れて空へ舞い上がった。
水が引き、皆して甲板に出て来る。
「凄いねぇ、どういう仕組みなのかしら?」
「野口君に聞けば、わかるんじゃない。魔力がどうたらこうたら言ってたから、マレト君でも分かるかも。」
「野口君は、操舵室ね。マレト君は、子供達と機関部にいるのか。」
「先生、吾郎さんお茶にしましょう。」
「美世さん、だいぶ高度上がってきましたよ。」
「大丈夫よ、この船には元々結界が張ってあるから。」
「お姉ちゃん、結界の張る所間違っているわよ。」
「いいじゃない、減るもんじゃ無いし。」
「あっ、私にも宝石分けてよ!」
「後でね、いっぱいあるから心配しないで。」
「あんなにいっぱい、どこから手に入れたのかしら?」
「異世界は、宝石やら鉱石が豊富なんだって。こっちよりは、手に入れやすいんじゃない。それに、マレト君は皇帝陛下だったんでしょ。」
「そうか、あいつ金持ちなんだな。フフフ。」
「夏世は、お金持ちが大好きね。」
「まぁ、無いよりはある方がいいでしょ。昔は、苦労したもの。」
「美世さんと夏世さんは、昔から明石にお住まいだったんですか?」
「私達の家は、金が崎って言う所の神主だったの。まぁ、豪勢な生活なんて無縁。それは、質素な生活をしていたわ。」
「そうなんですか、私は美世さんの小説のファンでしたから。」
「あら、総理がファンだなんて。それでも、母子家庭だから色々苦労したわ。」
「お姉ちゃん、何もしてないじゃん。みんな、私に押し付けて!」
「夏世ちゃんは、いい旦那さん見つけたね。」
「うん、最高の旦那よ。イケメンだし、お金持ちですごく優しい。どこかの、フーテンのおっさんとは大違いだわ。」
「あれでも、いい所あるのよ。でもまこが産まれてからは、大変だったわね。夏世、ありがとう。」
「まぁ、まこは天使だったからね。」
「淋しいわね、今ごろどうしているかしら?」
「希人もいるし、あの子も母親なんだから。と言う訳にも、行かないか。そのうち、向こうの世界をぶっ壊したりするかも。」
「魔人君達は、何か知らない?」
困った様に、それぞれ手を上げる。
「知るわけ、無いでしょ。みんな、こっちにいてくれるんだから。」
「こっちに、マイカやモエがいるから助かるけどね。」
「吾郎さんも、早く瑠亜ちゃんに逢いたいでしょ?」
「そりゃ、ただラリーネが怒っているだろうなって。」
「吾郎さんにも、先生にも宝石上げるからちゃんと機嫌取ってね。」
「助かるよ、美世さん。出来れば、娘の分も。」
「先輩!」
「大丈夫よ、まだマレト君沢山持ってそうだもの。」
あっという間に、太平洋に抜けた。
今は、インド洋を北上しながら着水する所だ。
「お疲れ、お嬢ちゃん達。おやつとジュース、いっぱい用意しているからね。」
「ありがとう、美世ママ。へとへとだよ、もう。」
「モエは、まだまだできるもん!」
「元気いっぱいね、モエ。あたちも、へとへとだわ。」
「ママもマイカママも、もうお年なにょ。モエに、まかしてなにょ。」
「ハハハ、真もマイカもモエには形無しだな。おぅ、野口もお疲れさん。操舵は、いいのか?」
「あぁ、魔人に任せて来た。ちびっ子共、ありがとうよ。」
「いいって、事よ。着いたら、アンパンマン号くれよ。」
「ダメだ、お前にやったら大量殺戮兵器になっちまう。足漕ぎのベンツ、買ってやるよ。」
「あれ、推奨年齢は幼児だよ。晴明のに、書いてあったもん。」
「じやぁ、丁度いいじゃねえか。」
「ムゥ、グレてやる!」
「はいはい、おっぱいね。」
「フニュ、美世ママ。」
「モエも!」
「おいで、モエ。マイカも、いらっしゃい。」
【夏世ママ~。】
「カオスだな、マレト。」
「あるべき姿だよ、野口。そういや、どっちに行くんだ?」
「メンテナンスは急ぐけど、相生に先に行くよ。後は、魔人に任せる。」
「お前も、早く我が子に逢いたいよなぁ。」
「そう言う事、連絡入れといたからみんな着く頃には施設に集まるってさ。フレアス、結婚したらしいぞ。」
「そいつは、良かった。不憫な想い、させちまったからな。」
「お前が原因でも、あるまい。」
「そうだが、間接的に関わっている。それに、こっちの世界に送り出したのは俺だ。」
「仕方ないだろう、お前は皇帝陛下なんだから。」
「元な、今はアキトが大統領だ。これからが大変だが、あいつなら大丈夫だ。」
「敵対したのに、やけに信頼しているんだな。」
「たった一人の、弟なんだ。別に、敵対した訳じゃない。あいつをひとり立ちさせる為に、必要だったんだ。」
「どこのどいつも、弟が可愛くてしょうがないらしい。ホント、バカ兄貴だよ。」




