339地殻変動。
サハラ砂漠に着く手前で、フェリーから飛び立ったゴーレムも合流した。
今回は、ゴーレムをバクゥに練成させて対砂漠用にしてある。
マコトは、頑なにガンダムで譲らなかった。
が、俺はバクゥの隊長機にモエと乗り込む。
これで空は、マイカのバルキリー。
地上は、マコトの指揮するバクゥで固められる。
どこから掻き集めたのか、タイガー式の戦車が地平線を埋め尽くす。
ざっと、二万台はいるだろうか?
そして、レーダーにコブラ型の戦闘ヘリとオスプレイが無数に捉えられていた。
「バルキリー、展開!両翼から、飛行体制維持。」
マイカの指示が、飛ぶ。
「カックイイ、マイカママ。」
モエが手を叩いて、賞賛する。
「バクゥ、航空戦力に注意!敵陣、中央突破!」
「ママ、頑張れー!」
二人共、いい指示だな。
機動性に勝るバルキリーで、正面では無く横から敵を減らして行くのか。
バクゥは、航空戦力の的にならない様に敵陣の後ろへ抜けて叩く作戦だな。
「パパ、グゥオー!」
「こらこら、モエ。危ないから、ママ達に任せような。」
これだけの兵力をどこから、集めた?
中東がまとまったのか、反イスラエルがいつの間にかこちらを敵にする事でまとまったのか。
危なげ無く、敵戦力を殲滅して行く二人。
こちらにこぼれて来る奴らも、モエがコントローラースティックでなぎ倒す。
さすが、家の娘。
母親に似て、戦闘センス抜群だ。
マラケシュの野口から、SOS信号が入った。
何が、起こった?
レーダーやフェリーからも、異常探知は報告無かったぞ。
二人に連絡して、マイカに先にマラケシュに先行してもらう。
俺達は、敵の掃討しながら周辺の索敵してから行く事にする。
マイカから、連絡が入った。
モロッコ北中部を震源とする、大地震が起きて国中がパニックになっているとの事。
各国首脳は、郊外のゲルにいて難を逃れたが会談どころでは無い。
西町先生も動きたいが、お忍びである以上は公に動けない。
すぐ、野口がビリー商会の名の下で救援活動を行うと表明。
名目上は、夏世さんを表にして動き出した。
やはり、上手く行かないらしい。
建物自体脆弱で、バルキリーを出しても瓦礫の撤去もままならない。
バクゥは、そのまま救援物資を受け取り奥地へ向かう手はずになった。
俺とマコトは、モエを連れて震源に向かった。
バクゥで、地中に潜るとそこにはあるはずのない物があった。
MOBAだ、核を使わない最凶の爆弾。
これを使ったとなると、自由の国が関わっているのは間違いない。
核なら、こちらに察知されて使えないと思ったのだろう。
まんまと、してやられた。
首脳や高官に被害は無いが、会談は中止。
そして、何の罪も無い人達が大勢死んだ。
俺は、すぐに日本のレイナックさんに報告。
事後処理を頼むと、遺憾そうな口調で楽しそうに言ってきた。
「面白くなりますよ、これで自由の国は孤立する。それと追い打ちをかける様ですが、リビアで大洪水が起きております。今回の軍事行動に伴って、南部のダムが決壊した様ですね。死者は、一万人に迫る勢いです。そちらの支援は、遅遅として進んでおりません。」
「しょうがないでしょう、あそこは情勢が複雑だ。一応、エジプト政府に連絡だけはしておいてください。我々は、こちらの救援活動を優先させます。」
レイナックさんも、伊藤幕僚総監を伴ってエジプトに渡るとの事だ。
俺達は、空からリビアの様子を確認してマラケシュに戻った。
酷い、有様だった。
王族と各国首脳は、魔人達が丁重にお送りしてくれた。
代わりに、首相がこちらと協議してくれている。
物質はいくらでも支援する、救援活動は他国の手前控えてほしいとの事だ。
何とかしてやりたいが、こればっかりは…。
そして、俺達はカサブランカに戻って南アフリカに向かう事になった。
「おっちゃん、大活躍だね。」
「少し、休ませてくれ。」
「野口、伊藤さんがエジプトに来るらしいぞ。どうする?」
「そりゃ、一大事だ。早よ、逃げなあかん。」
「先生、吾郎さんはどうされます?」
「このままでは、落ち着かないだろう。吾郎、日本へ帰るか?」
「ゼレンスキーさんも、そろそろ帰らないと拙いんじゃないんですか?」
「そんな事、ありまへん。影武者の方が、優秀ですさかい。」
このおっさん、吉本新喜劇見たいだけだろ。
「じゃあ、日本に帰ったらラトリア経由でお送りしますね。」
「野口君、南アフリカは寄らずに帰るよ。そのまま、日本に向かってくれるかい?」
「吾郎さん、特別手当があれば最速で行けますよ。」
「お前、家の娘達をこき使うつもりだろ!」
「魔力循環の訓練にもなるし、一石二鳥だろう。」
こいつも、嫁と子供に早く逢いたいだけだ。
「ジャムおじちゃん、なにしゅるの?」
「モエ、粉もん大魔王と呼び為さい。」
「面倒くさいわ、おっちゃん。んで、何するん?」
「機関部に行って、魔力を込めてくれ。外洋に出たら、フェリーを飛ばすからな。」
「ほう、やっぱりこいつは宇宙戦艦だったのか?さらば~♬」
歌わなくていいよ、先生。
「じゃあ、帰るか?美世さんと、夏世さんは?」
「お土産買えなくて、いじけてるよ。」
「しょうがねえな。」
マジカルコンテナから、たくさんの宝石をテーブルにばら撒いた。
「あっ、大奥様!」
「お姉ちゃん、ずるい!」
美世さんが、あっという間に袋の中に宝石全部をかきいれた。
ニコニコ笑顔で、
「宇宙戦艦ヤマト、発進!」
誰だよ、あんた?




