332オイク、帰京。
「どうかな、オヤジ?ドレイク君は、大丈夫そうか?」
「あぁ、至って健康だよ。」
「希人君、ありがとう。娘と孫を助けてくれて。」
「いえいえ、実質はルアンと真がやった事ですから。」
「それでも、貴方がいなければ駄目だったのよ。」
「教皇様夫妻の、仁徳の為せる事ですよ。」
「わしは、ただの元辺境伯なのだが。」
「妾は、ただのおばあちゃんよ。」
「そこは、ムリがあるでしょ。」
もう一人の、ムリがやって来た。
「オフクロ、オイクさんはどう?」
「多少、疲れがあるね。産後なんだから、ゆっくりしなきゃ駄目よ。」
「はい、カリン様にも言いつけられているんですが。」
「こっちは、カリン様に押し付けてドミヤさんの所に押しかけたら。」
「そうしな、あの子又変な事企んでいるわよ。」
「でも、せっかく大学も順調だし。」
「だったら、いいじゃない。リズちゃんみたいな優秀な子が、育っているんだ。安心して、子育てしな。」
「お義母様…。」
「スカルでも、学校を作る予定だ。落ち着いたら、色々協力頼むよ。」
「ドレイクは、置いて行ってもいいぞ。」
「お義父様!」
「ワハハ、こっちにも孫はたくさんおるから安心しろ。たまには、里帰りしろよオイク。」
「はい、しょっちゅう帰って来ますね。」
教皇様家族と別れて、護衛と共に再び厨房へやって来た。
小さい子の食事も終わった様で、閑散としている。
俺が厨房に物品を納めている間に、玉子丼の用意が整っていた。
「ここは、あまり日本と変わらないのね。」
「いえいえ、希人が物資を寄付してくれているおかげですよ。子供達に、栄養価の高い食事もさせてあげられる。」
「ふーん、あんたは女子供には優しいね。」
「どっかのチンピラみたいに、言わないでくれ。」
「チンピラじゃなくて、親玉だったか。あの半グレ集団は、どうしている?」
「ちゃんと、シークレットサービスとして世間の役に立っているよ。まっ、裏の稼業も滞りなくやっているけど。」
「希人さんって闇ギルド潰したのに、向こうでは闇ギルドの親玉だったんですか?」
「闇ギルドと言うか、暴力組織だな。」
「そういう類いの輩に、慣れていらっしゃるんですか?」
「俺自身が、そういう人間だ。世の中、きれい事だけでは務まらん。」
「そうですか、我等兄弟はあまり関わりたくないですね。」
「騎士なんだから、関わる必要は無かろう。オレは、弱いからそうしているだけだ。」
「見聞きしている分には、清廉潔白なお方だと思っていました。司法関係者で、治療関係者でもある。」
「オレは、金儲けもしたいし権力も欲しい。汚れに塗れた、人間なんだ。」
「安心しました、私達を従者として仕えさせてください。両親からも、薦められております。」
「そうか、好きな様にしろ。とりあえずは、うちの両親のお守りを頼む。」
「希人、いいのか?将来ある、若者なんだろ。」
「だからだよ、変なクセが付いていない。この三兄弟なら、役に立つ。」
「ありがとうございます、よろしくお願い致します!」
【よろしく、お願い致します!】
「まぁ、そう硬くならずに。こちらも、よろしくお願いしますね。」
これで、衛生兵だった戦闘メイドさんをこっちに置ける。
カリン様の手伝いをしながら、ホーリヤを安定させてほしい。
後でシュタイックに、兄弟の身柄を預かる事を報告しないとな。
それじゃ、オイクさんとドレイク君はおふくろに預けて。
オレと親父は、ナジロのドンさんの所に行くか。
飛行艇をマジコテから出して、ホーリヤの聖堂から物資を載せる。
「オイクさん、おふくろ達頼むな。親父は、しばらくナジロにいるから少しこっちでゆっくりしろよ。」
「そうさせて、もらうかね。しばらく、カリンさんと遊ばしてもらうよ。ドレイクちゃん、オババですよ~。」
ロリ婆に、キョトンとするドレイク。
「希人さん、操縦は俺に任せてください。」
ジョージが、コクピットから声を掛ける。
ホーリヤ空軍の、エースパイロットなんだと。
キャメロン家のDNA、どうなってんねん。
メイドさんがいないので、リズがお茶を用意してくれた。
母親に似ないで、可憐な令嬢って感じだな。
下の子も含めて、みんな二人の子供らしい。
世の中、不合理だな。
オレと秋人も、真逆の容姿だからな。
ナジロの王城が、近づいて来た。
「ジョージ、所長とドンさん収容したらラトリアに行ってくれ。面白い物が、届いているらしい。」
「わかりました、面白い物って何ですか?」
「夢の、クラフトマシンだ。何でも、作り放題。ナジロ城くらいなら、半日で作れる。」
魔人達でも、あの規模なら数日間は掛かるだろ。
「オヤジ、ビリーさん狡いんだよ。魔人の派遣代、足下見て上げてきたんだ。だから、野口に作ってもらった。」
「ビリー君だって、優秀な商人だからな。お前ごときでは、太刀打ち出来んだろう。」
「ドンさんに、頼もう。おたくの弟さん、どうにかしたってって!」




