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327リンゴと蜂蜜。

 飛行艇で黒海を眺めながら、地中海方面へ向かう。


 この辺は、ラトリアとトルコの海軍が制圧した様で比較的安全だ。


 地中海もトルコ周辺は大丈夫だが、西へ向かうと少しキナ臭い匂いがする。


 無理しないで、シベリアへ帰る事にしよう。


 マイカとモエは、眠くないのか、メイドさんに外を見せてもらいながらはしゃいでいる。


 姪っ子であるマイカも、無意識に自分の娘の様に感じる。


 恐らく、マコトと瓜二つだからだろう。


 モエは、母の上皇后に似ている。


 マコレは、男の娘らしい。


 何故、ビリド兄さんとカミロ姉さんの間に産まれたのか?


 何かの意図なのか、はたまた…。


 モエには、良かったのだろう。


 マコトにカミロ姉さんがいた様に、あの危なそうな子には誰かがいないと心配だ。


 マイトは、どうしているだろうか?


 とっくに、命は奪われているだろうな。


 魂だけでも残っていれば、あの子の力なら何とかなるとは思うが。


 闇の世だから、晴明に聞けばわかるのか?


 でも継いだばかりだし、あの子も小さいからな。


 明るくてあんなに剽軽な子が、闇の王と言うのは?


 そろそろ、宿営地だな。


 イワノフさん達、早いな。


 あぁ、秋人と二人だけ先に帰って来たのか。


 他の面々は、途中のキャンプに置いて来たな。


 飛行艇を見て、皆も戻って来た様だ。


 そんなに、カレーライス食べたいかね。


 子供カレーは、少し冷ましておくか。


 メイドさん、マイカとモエを身ぎれいにしてやって。


 マジコテから、二人のドレス着替えを出して。


 メイドさんの新しい改良型戦闘メイド服も、あるよ。


 めっちゃ、軽いでしょ。


 温度調節機能も、ついてるからね。


 ヒマついでにいっぱい作ったから、持っていってね。


 ランジェリー?


 それは、ちょっとセクハラになるから無いよ。


 えっ、作れと。


 シベリアじゃ、ウマゾンも来ないの?


 はい、徹夜でやらせていただきます。


 では、サイズを。


 痛ッ!ですよね、ハラスメントですね。

  

 サイズも含めて、大量生産させていただきます!


 みんなも身ぎれいにした様で、夕飯の場に集まって来た。


 そこに、何やらいちゃラブな熟年カップルがいた。


 あっ、熟年は片方だけか。

  

 済まん、ミーナさん。


 「レイナックさん、いつこちらへ?」


 「先ほどな、皆さんお集まりの様だから顔だけでも出そうと思って。」


 「パパは、ママに会いたいだけでしょ!」


 「フレアスちゃん、私は娘にも会いたかったんだよ。」


 「もう、そういうのはいいから。ちゃんと、ママを大事にして!」


 どこも、父親は弱いもんだなぁ。


 家の娘達は?


 「パパ、抱っこ!ボク、疲れた。」


 「マコト、お疲れ。今日も、頑張ってたな。カレー、思いっきり甘くしたからな。」


 「やったー、パパチュー!」


 マイカとモエが呆れて、ジト目で見ている。


 夫婦だからな、チューは何も問題無いよ。


 ほい、マイカとモエも甘口な。


 「パパ、あたしは普通のがいい。」


 「マイカ、いいのか?結構、辛いぞ。」


 「あたし、もうそんなに子どもじゃないよ。」


 「フェー、マイカママかっこいい!」


 「マコトも、辛口にするか?」


 「ムリムリ、ボク子供だもん!」


 「フェー、ママかっこわるい!」


 「モエは、甘口な。」


 「えーっ、マイカママと同じがいいな。」


 「モエ、一口食べてごらん。」


 「うん。ひゃあ、辛い。マイカママの、すごく辛い。お水、おみじゅ!」


 「じゃあ、食べましょうか。」


 【いただきまぁす!】


 「瑠亜、どうだ。何時ぐらいまで、かかる?」


 「後は、魔人がいればやれるんじゃん。エクソシストも、結構いるし。細かい所は、天主教の技師が何とかするだろう。明日一日あれば、大丈夫よ。」


 「そうか、俺達は明日出発するよ。マイカとモエの事、頼むな。後、身重なんだ。無理、するなよ。これ、お守りの魂喰い改だ。」


 「何か、気持ち悪いわね。でも、ありがたくもらっておくわお兄ちゃん。」


 こいつも、ツンデレだったか。


 まっ、かわいい妹には変わりないな。


 翌朝、転移する場所がわからないので飛行艇に乗り込むとマイカとモエと夏世さんが乗っていた。


 「あたし達も、ついて行く!」


 「危ないから、明石に帰りなさい。美世さんの許可は、もらっているの?」


 「うん、許可したよ。」


 小っこくて、気がつかなかった。


 一緒に、乗ってるやん。


 「マコだって、行くんでしょ?」


 抱っこされてたマコトが、マイカに咆える。


 「あんた、弱いじゃん。足手まといなのよ!」


 「何ですって、降りて来なさいよ。どっちが強いか、勝負よ!」


 「いいわよ、やれるもんならやってみなさいよ!」


 「二人共、姉妹喧嘩は辞めなさい。パパは、仲良くしてほしいよ。どうした、モエ。」


 「やらせれば、どうせマイカママの方が強いよ。」


 「えっ、マイカが?」


 「ほら。」


 「ウア~ン、ウェッ、グスッ、ア~ン!」


 マコトが、泣きじゃくっていた。


 何がどうなって、こうなった?


 「姉に勝とうなんぞ、百年早いのよ。フンッ!」


 「パパ~!マイカが!」


 「美世さん、夏世さん、吾郎さんが駄目って言ったらすぐ帰ってくださいよ。」


 「ああ、わかったわ。マレト君、よろしくね。」


 「ほら、マコト。何時までも、泣かないんだ。ちょっと、夏世さんお願いします。」


 「やりぃ、マコおいで。おっぱい、飲む?」


 「飲む!」


 「ハァ……。」




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