326テーブルマナー。
夕方、郁恵伯母さんが迎えに来た。
明日、叶お姉ちゃん達が退院するとの事でちょっと立ち寄る事にした。
そこには、叶お姉ちゃんのお母さんと瑠亜ママのラリーネさんが付き添っていた。
双子ちゃんなので、手がかかるらしい。
「叶お姉ちゃん、お久しぶりです。これ遅くなりましたが、出産祝いです。」
マジカルボックスから、双子用の乳母車を出して又しまい込む。
「ちょっと早いけど、ありがとうね。相変わらず、律儀よね。そちらの、女の子は?」
「初めまして、晴様の許嫁の小町と申します。どうぞ、お見知りおきを。」
【エェー!】
「晴ちゃん、今幾つよ。小町ちゃんも、大丈夫なの?」
「ラリーネさん、小町と一緒に暮らすからケジメをつけたんだ。小町の事、よろしくお願いします。」
「可愛い、男の子と女の子ですか?」
「小町ちゃん、わかるの?こっちが姉の希、それと弟の英世よ。」
「うーん、どっちもお母さんそっくり。晴様、早くわち等も赤子が欲しゅうおします。」
「小町ちゃん、それはなんぼ何でも。小町ちゃんは、京都の子なの?」
「はい、六波羅どすえ。小野小町と申します。」
「はいっ、あの小町ちゃん?六歌仙の?」
「あのかどうかはわからんけど、小町はあの小野小町だよ。」
「えっと、どうやって?」
「ラリーネさん、オレじいちゃんの跡を継いで闇の王になったんだ。まっ、小町とは産まれた時から相思相愛だけどね。」
「はぁ、つくづくあんた家って変わってるわね。」
「ラリーネさんの所も、人の事言えへんで。」
「あのぅ、小野小町って事はこの世の人では無いんでしゃろか?」
叶ママが、恐る恐る尋ねる。
「お母さん、この人達に常識は通用しないわよ。トシが、どれだけ苦労してるかわかるでしょ。」
「そうだね、最近夫も常識外れになってきたからね。米軍を叩き出すとか、訳わかんない事言ってるし。」
「実際、叩き出しましたよ。伊藤幕僚総長のおかげで、自衛隊が正常に戻りました。」
「晴明君、どうしてそれを?」
「オレも、魔人を率いて戦いましたから。」
「危ない事させて、ゴメンね。小町ちゃん、大事にしてあげてね。」
「はい、ありがとうございます。」
「ありがとうございます、おばさま。」
「何か、微妙だね。本来なら、小町ちゃんの方がずっと年上なのに。」
「母さん、気にしないの。それ言ったら、私だって元男なんだから。」
「ファンタジーだね。」
「叶ちゃん、落ち着いたら花梨と遊んでね。病院だと、連れて来れないから。」
「はい、赤穂の施設に行く予定なので是非遊びに来てください。あそこなら、自然もいっぱいですから。」
「自然しか、無いよね。」
「んふふ、確かに。」
「晴様、わちも連れて行っておくんなまし。」
「晴明、そろそろ行こうか。叶ちゃん、又ね。」
「はい、郁恵先生もお大事に。」
ラリーネさんと晴明達を伴って、モールのメイドレストランへ行く。
「晴様、ここは?」
「あぁ、父ちゃんのレストラン。父ちゃん、ハンガリーの人だからそっちの料理を出してくれるんだ。」
「ほぅ、ハンガリー料理なんて初めてですわ。晴様、楽しみ!」
「ラリーネさんは、こういう料理は馴染みがあるんですか?」
「うん、似てるね。ロシア料理は雑だけど、ハンガリーはもう少し丁寧かな。」
「ラリーネさんも、異国の方なのですね。」
「元宝ジェンヌで、男役のトップスターだったんだよ。わかる、小町?」
「はい!わち、宝塚の大ファンどすえ。もしかして、神月紫苑様ですか?」
目をキラキラさせて、食い入る様にラリーネを見つめる。
「若いのに、良く知ってるね。生粋の、塚っ子なんだ。」
「ラリーネさん、小町ちゃん若くないわよ。」
「あぁ、そうかぁ。ほら、来たわよ。小町ちゃん、ナイフとフォークで大丈夫なの?箸、用意しようか。」
「大丈夫どすえ、テーブルマナーは貴族の必須ですから。」
「晴明に勿体ないくらい、いい子ねぇ。晴明、汚いわね。」
「晴様、わちが食べさせてあげますえ。はい、あーん。」
「甘やかしちゃダメよ、小町ちゃん。」
「ふふふ、いっぱい甘えてくださいね晴様。」
「小町、口に合うんか?何やったら、シェフに和食作らせるで。」
「美味しいおます、身体にも良さげで。晴様も、好き嫌いせんとたんとお食べ。」
「ははは、晴。オカン、みたいやな。お前には、よろしいのちゃうか!」
「GNUNU!」




