321統治者。
「秋人君、瑠亜ちゃんできたんだね。」
「イワノフさんの所は、まだですか?」
「んー、ゴタゴタしてたからね。なかなか、上手く行かないよ。でも、聖母様の加護があるからね。」
「そうですね、フレアスさんって聖母様の従姉妹だったんですね?」
「フレアスの父が国王で、聖母様の母が妹だったらしい。最近、わかったそうだよ。」
「あまり、似てないですもんね。フレアスさんは、王女様って感じだけど。聖母様は、小っこい幼児だもんなぁ。」
「皇帝君も、大変だなぁ。あの人は、あまりこちらに関わらないね。」
「多分、測りかねているんだと思います。ほぼほぼ、兄さんと同じオーラが伝わって来ますから。」
「マイト君の事も、有るんだろうな。そう言えば、晴明はいつの間に覚醒したんだ。」
「何か、ビリーさんが安部家に婿養子に入ったじゃないですか。あれで、晴明が安部家の直系の跡取りになったそうで。」
「安部家って、まこちゃんの実家だよね。陰陽師頭、だっけ?」
「うーん、それもあるけど鷹人さんの闇の王を継いだらしいよ。」
「あの、チャラ幼児が?」
「あの家は、ちょっと特殊なんだよ。それより、イワノフさん結婚式しないの?」
「イヤー、まだレイナックさんから籍を入れる許可もらえなくて。」
「えっ、まだやったん?ミーナさんに、頼んだら?」
「義理の母とはいえ、年下だしね。」
「フレアスさんの、最終手段があるじゃん。(お父様なんか、嫌い!)って。」
「まぁ、穏便にやって行くよ。まずは、二人の結婚式を成功させないと。」
「そうだね、段取りは任せてよ。ビリーさん直伝の私が、しっかりやるから。」
「あぁ、頼むよ。俺は、出席者の調整や式以外の手配を進めておくよ。」
「フラお姉ちゃん、イワノフが秋人と怪しいよ。」
「瑠亜、心配しなくても大丈夫よ。二人で、お母様の結婚式の相談しているだけだから。」
「フラお姉ちゃんも、一緒にやればいいのに。」
「まずは、籍入れないとね。なかなか、お父様がうんと言わないから。」
「何なん、自分ばっかり。若いお嫁さん貰って、調子こいてんじゃないの!」
「向こうの世界と繋がったから、躊躇しているのよ。大丈夫、いざとなったら。お父様なんか、嫌い!って、言ってやるから。」
「あっ、レイナックさん死んだ。」
「何、うちの人が死んだって?」
「あっ、お母様。瑠亜が、イワノフさんと私の事を心配してくれて。」
「あらら、瑠亜ちゃん子供が出来たから一層優しくなったのね。それから、フレアス。私の事は、お母様じゃなくてママと呼びなさい。いつまでも、王女気分じゃダメよ。」
「うん、ママ。ママは、体調大丈夫?瑠亜じゃないけど、兆候は無いの?」
「あのクソじじい、他所ばかりほっつき歩いて!全然、構ってくれないのよ。」
「希人がいないから、天主教の最高責任者になっちゃったしね。なんか新しく出来る国際組織の事務総長も、するかもでしょ。」
「えっ、聞いてないわよ。」
「瑠亜のパパが、言ってたもん。レイナックさんがやらないと、始まらないって。憖か出来る人は、大変だよね。」
「大丈夫よ、ママ。私が、パパに言って聞かせるから。最終手段もあるから、心配しないで。」
「フレアスちゃん、ママうれしいわ。お互い、頑張りましょ。」
「秋人が来たから、復興も目処がつくでしょ?壁の事は、晴明に任せてそろそろ日本に帰りましょ。」
「そうね、魔人もいる事だし。荒事は、イワノフと秋人君に頼みましょ。」
「瑠亜、転移使えるの?」
「そろそろ、ダメかな?イワノフが、プライベートジェット用意するって。」
「あの人、便利よね。エクソシストのくせに軍人だから、何でも出来るよね。フレアスちゃん、離しちゃダメよ。」
「アイアイマム!」
数日後、向こうの皇帝夫妻が転移で壁の所までやってきた。
「イワノフさん、ここから向こう側が取り除く所?こっち側は、どうするの?」
「何カ所か、穴空けてくれるかな?」
「退かした方が、面倒無いンだけどな。マコト、魔術で向こう側の稜線削れるか?」
「どんな風に、何かするん?」
「必要ないとは思うが、防御用の砦を作ろうと思ってな。それと、リニアを南北に曳く。整地を頼むわ。」
「わかった、瑠亜を呼んで来る。」
「大丈夫か、瑠亜さん身重だろう?」
「大丈夫、細かい所頼むだけだから。」
「と言う訳で、あちらの端とこちらの端に昇降口を設けよう。主要な所は、トンネルを貫通させるよ。シールドマシン、ここにあるだろう?」
「有るな、あれで出来るのか?」
「いいや、フレアスに手伝わせる。あいつの魔力なら、なんて事なく出来るさ。」
「ラトリアに連絡して資材が届くまでに、あらかたやってしまおう。秋人、魔人と一緒にこいつを取りに行ってくれ。」
「イワノフさん、一旦宿営地に戻ろう。簡単に、施工を組み立てたい。」
「簡単にって、百年仕事だぞ。どんだけ、すごいんだよ!」
「まっ、魔導師はめちゃくちゃだからな。俺は魔力が無いから、何も出来んが。」
オメエが、すげーんだよ!
不用と思った物を、何なく活用するとか。
なぁ、やっぱり統治者と言うのは。
やめた、やめた!
オレは、統治者じゃない。
ただの、臨時政府の代表なんだ。
終わったら、フレアスさんとゆっくり暮らすのだ。
「秋人はん、魔人に取りに来させればいいのに。」
「いやー、両親が向こうに行くって言うから会えるかと思って。」
「美世様と夏世様なら、おりまっせ。」
「えっ、私が来た事は?」
「知れているでしょ、この施設は美世様の加護が効いておりますから。」
「早く資材積み込んで、すぐ高速艇出すから。」
「無理だっせ、リニアは今赤穂から運ばせてますんで。」
「秋人君、いたいたぁ!」
「お久しぶりです、お姉様方。」
「何、硬くなって。瑠亜、お目出度なんでしょ?」




