320駆け落ち。
先ずは、晴明神社に寄ってと。
さて、六道詣りと行きますか。
「あれ、小町ちゃん。お迎えに、来てくれたの。元気ィ、おじいちゃんいる?」
闇の宰相、小野篁。
その孫の、小町ちゃん。
相変わらず、カワユイねェ。
「あのさ、死んでるんだから元気な訳無いじゃん。なぁ、手ぶらなん?」
「ほら、本場フランスのマカロンだよ。小町ちゃんみたいに、カラフルでかわいいでしょ。」
「今どきは、広尾のマカロン屋さんの方がオシャレよ。ったく、この十二単って重いのよ。」
ブツブツ言いながら嬉しそうな、小町ちゃんの後をついて行く。
「おぅ、来たな新王よ。これからは、わしを頼りにしてくだされ。ほれ、小町も新王様に挨拶せよ。」
「よろしく~。」
「こちらこそ…。」
「相変わらず、小町は照れ屋じゃのう。」
クソッ、地獄の番人もただの孫デレの爺ィかよ。
「あの~、先王に言われて来たんですけど。何、したらいいんですか?」
「うむ、闇の仕来りを学んでもらおうと思っておる。とりあえず、わしが先生として教えを授けよう。」
「いや、そう言うのいらないんで。他に用が無いんなら、帰りますね。こう見えて、結構忙しいんですよ。」
「小町、引き留めなさい!」
「小町ちゃん、一緒に行く。ここにいるより、ずっと楽しいよ。」
小っちゃな首をコクッと、下に振る。
「待て、待つのだ。まだ、話は終わっておらん!」
「年寄りの話は、長いねん。小町ちゃん、掴まって!」
亜光速で、上界へと戻って来た。
「ふわぁー、びっくりした!」
「大丈夫、小町ちゃん。お腹、すいてない?」
「うん、大丈夫。これから、どうしはんの?」
「とりあえず、篁のじいちゃんが心配するから携帯送っておくよ。もう一つは、小町ちゃんが持っておいて。オレの叔父さんが開発した、闇の携帯電話だから。とりあえず、新幹線で明石に行こうか?」
「明石って、あの源氏物語の?」
「うん、ちょっとその先かな?」
「都を離れはるの、妾は羽後に行って以来どすえ。」
「あぁ、秋田に居たんだっけ?明石には、オレを奉っている神社があるんだ。そこ、誰も使ってないから。気兼ねしないで、お出でよ。それから、買い物もしなきゃね。とりあえず、そこのGUで今着る洋服買おう。」
「どうどすえ、似合いますやろか?」
「さすが、三大美人。何着ても、似合うなぁ。細い物は、向こうで買おうか?」
「これは、なんですの?」
「ポシェット、小物入れたり財布を入れるのにね。まぁ、魔導具だから見た目以上にしまえるけど。」
「これは、多くありませんの?妾でも、こんなには使いはしまへん。」
「百万くらい、すぐ無くなるから。手続きが住んだら、カードも用意するからね。」
「そこまでされる、謂われはありまへん。妾が、勝手についてきましただけですえ。」
「いいんだよ、オレは小町ちゃんを大事にしたいだけだから。迷惑じゃなければ、甘えてくれよ。」
小町が屈んで、晴明のオデコに接吻する。
「フォン!」
勢い良く鼻血を噴射しながら、晴明が仰向けに倒れた。
「晴殿、大丈夫ですか?しっかり、しなはれ!ダーリンが倒れられたら、妾は…。」
およよと、泣きふす小町ちゃん。
「大丈夫だって、小町ちゃんの魅力にやられただけやで!早よ、夫婦にならなアカンな。」
「はい、どこへでもついて行きますぞえ。」
ツンデレ、最高!
平安随一の嫁、ゲットだぜ!
「小町ちゃん、駅弁買おうか?何が、食べたい?」
「晴殿は、何にしまはるの?」
「オレは、姿焼き弁当かなぁ。成長期だから、肉だなニク!」
「ほな妾は、ちりめん山椒弁当にします。」
「おしとやかやな、小町ちゃん。惚れてまうやろ~!」
「お茶も、買うておきますね。」
「GNUNUっ、なかなか手強い。」
「小町ちゃん、着いたで。とりあえず、モールで必要な物買い揃えようか。」
新婚生活の、始まりや。
グフフッ、グエッ!
「あんた、何してるん?その娘、誰なん?」
「郁恵先生、もう大丈夫なんですか?その赤ん坊が、花梨ちゃんでっか?これは、オレの嫁の小町ちゃん。この人が、オレの伯父さんの奥さんの郁恵さんと娘の花梨ちゃん。」
「初めまして、小野小町です。かわいい、娘さんですね。お母様に、そっくり。」
「なぁ、晴明。嫁って、どう言う事。小野小町って、あの小町ちゃん?」
「せや、あの小町ちゃん。めっちゃ、綺麗やろ。冥界から、駆け落ちして来てん。」
「全く、夏世ちゃん知ってるん?小町ちゃん、大丈夫なん?こんな、チャラ男で。」
「はい、晴殿は我が主家。今や、闇の王であらせられます。お祖父様も、話し合えばお解り頂けるかと。」
「そう、んで何してる訳?」
「モールで、小町の必要な物揃えようかと思って。」
「私が一緒に見てあげるから、花梨と先にタワマンで待ってて。マジカルボックス、置いて行きなさいよ。後、カードもね。」
「マジカルボックスは、小町のポシェットがそうだよ。カードは、はい。」
「ブラックかよ、クソがきのくせに儲かってんな。」
「おかげ様で。小町ちゃん、郁恵さんに面倒頼んでも大丈夫か?」
「はい、晴殿の伯母様であれば。後で、親御さんにも挨拶させていただきます。」
きれいな、標準語使って。
TPOを弁えた、嫁だぜ。
オレは、メイドさんに抱かれた花梨と一緒にモールを後にした。




