312キーウ平和条約。
ラトリアに、着いた。
明日、まこが迎えに来るとの事。
本当なら来ているはずだが、カミロさんとミルスさんも連れて来る事になったのでずれ込んだ。
そう、マイカちゃんをお母さんに会わせたくて。
「マイカちゃん、モエチャン、お母さんに逢うの楽しみね。」
「あい!」
「こんなに早く会えるなんて、いいんでしょうか?」
「いいんじゃない、今回だけじゃないし。おばあちゃんも、来るんでしょ?」
「ええ、でも母と叔母はこっちには転移しないようなので。」
「向こうに、マイカちゃんとモエチャンが行けば喜ぶでしょ?」
「モエ、ちゃんとしなきゃダメよ。」
「アイ、マイカママ!」
「晴明、野口君いつ頃こっちに着くんだい?」
「大統領選挙が終わる頃には、着くと思うよ。結局、そのまま続くんでしょ?」
「そうだな、健康問題も希人君が解決したし。トルコは、こちら陣営に協力するそうだ。」
「他の中東諸国も、抑えたの?」
「サウジ以外はな。あそこは奴隷制度を有効に使っているから、西町先生が怪訝を示してな。代わりに、イランはこちら側だ。イスラエルは、抑えたのか晴明?」
「ダメだね、魔人使おうと思ったけど。存外、洗脳が激しくて。」
「まぁ、ユダヤの歴史は長いからなぁ。」
「父ちゃん、結構儲かったでしょ?お小遣い、増やしてよ。」
「あぁ、希人から異世界の派遣代が入ったらな。」
「やったぁ、仮面ライダーブラックの変身ベルト買おうッと。」
さてと、トルコ行くなら北極海周りが近いな。
しかし、冬場はちとしんどいか。
向こうでマコちゃんに、魔力充填してもらおうか。
よし、シベリア上空を飛んで行こう。
序でに、物資を降ろしていくか。
ウラジオストックで余計な物を降ろして身軽になったフェリーが、空中高く飛び出して行く。
♬さらば宇宙よ…、銀河を抜けてイスタンブールへ…
あかん、真理子さんに洗脳されてもうた。
しかし、ウラルの辺りは酷いな。
イワノフとフレアスも、復興対策に追われているんだろうな。
瑠亜とミーナさんが、応援に来ているらしいが。
まぁ、人道支援に俺達の出番はそうそう無いだろう。
又、戦争にならない限りはしばらく叶や子供達とゆっくりするか。
さぁ秋人、仕上げと行こうじゃないか。
ついに、欧米諸国との決裂の瞬間が来た。
ゼレンスキー大統領と、西町総理大臣が会見を公開した。
予定調和を崩された欧米諸国の陣営は、大統領府に弾道弾を打ち込んだ。
衛星ドローンの映像が、地中海から発射された弾道弾を追尾する。
着弾する予定の弾道弾が、空中で爆ぜる。
地中海の艦隊は、NATO所属の旧式軍。
映像は、早速イギリスBBCによって世界中にばら撒かれた。
サウスグローバル諸国が、こぞって欧米諸国を非難し始めた。
「秋人、来たぞ!」
「義父さん、西町先生を頼みます。」
召喚魔がわざと見逃した暗殺者が、両国の首脳に迫る。
そして、アメリカのシークレットサービスまで西町先生目がけて発砲する。
「〈百花繚乱!〉」
秋人が印を組むと、こちら陣営に障壁が出来る。
その間から無数の刀が飛び出して、武器を向けるアメリカ陣営や暗殺者に飛んで行く。
その間にゼレンスキーや西町先生に変幻していた召喚魔が、会場から転移する。
もちろん、文官や吾朗を連れて。
残っているのは、アメリカCNNのクルーとバイデン陣営だけだ。
秋人が、英語でバイデン大統領に語りかける。
「貴方は、よっぽど第三次世界大戦がやりたいようだ。それほどに、この世の益を独占したいのですか?自分は手を汚さず、弱者を煽って敵国に挑ませる。それを支援すれば、あなた方は正義の味方ですからね。もうね、貴方達に踊らされるのは嫌なんですよ。サウスグローバルも、同じ人間。貴方達の大嫌いな黄色人種も、同じ人間なんですよ。もう、アングロサクソンだけが人だなんて思い上がらないでください。世界大戦がしたければ、受けて立ちますよ。経済戦争でね!掛かって来いよ!戦略兵器も核兵器も、何の役にも立たないですよ。もう、搾取する時代は終わらせるからな!こちら側は今後一切、あんたらと交易はしない。無理だと思わん方が良い、それではな。シー、ユー。」
呆気に取られるCNNのカメラマンに、愛想を振りまいて秋人がゆっくり退場する。
「あーっ、疲れた。英語なんかで、あんなに長文喋るのムリだよ。瑠亜に、会いたい!」
「秋人、良くやったよ。疲れただろ、後はこちらに任せてゆっくりしときな。」
「ねぇねぇ、マレト。今度こそ、ドンパチするん?なぁ、いっぱい魔導砲使ってもいい?」
「あのな、マコト。せっかく秋人が、あんだけ下手くそな言葉で奴らを脅しつけたんだ。もう、ドンパチじゃなくてジャラジャラお金の戦争すんの!」
「兄さん、下手くそって!せっかく、勉強したのに…。」
「ぼくは、上手だったと思うよ。」
「そうですよね、姉さん。私だって、脳筋じゃないって所わかってもらえましたよね?」
「先ほどの仕儀は、どういう事だ!あの訳わからん事を言っている、バカ者は誰だ?すぐあの方に、お会いする。ホワイトハウスに、帰るぞ!」




