309ペンギン村へ。
「相変わらず、使用人がいないっちゃねこの家は。」
「皇宮は、結構いらっしゃるんですか?」
「急に解雇しても、行くところ無いっちゃ。それでも、順次研修を終えた者から治療院に行かせてるっちゃ。」
「へぇ、研修って言うのはどんな事を?」
「オイクちゃんに作ってもらった教本で、医師の補助が出来る者。それから魔力のある者には、ポーションを作る勉強をさせているんだっちゃ!」
だっちゃ!何だ、このキーンとか言い出しながら走り出しそうな幼女は。
まっ、まんま看護学校と薬学部みたいな物か。
「医師は、専門の学校があるんですよね?」
「オイクちゃんと、妾の母が中心になってホーリヤに作ったちゃ。」
ちゃ、だから…。
「近いうちに向こうの医師である、オレの両親が来ます。このスカルにも、医師と薬学それに看護の学校や総合病院を作りませんか?」
「それは、いい考えだっちゃ。医学はやはり、向こうの専門家に教わるのが一番だっちゃ。魔力無しでも、人を救える方法があれば民は救われるちゃ。ハードは、希人君がやってくれるのかな?」
「はい、運用はケリーを中心にアニスの聖職者達で。後、オレの義兄に頼んで医薬品の工房を孤児院に併設するつもりです。こちらは、ナジロの魔術師の手を借りながら出来ればと。」
「ナジロは、妾の実家だっちゃ。問題、無いっちゃ。アニスは、ルアンに頼めば事も無く運ぶんだっちゃ。スカルでとなると、実務はここの者達だっちゃね。アカテの者達は、どうするんだっちゃ!」
はぁ…、もういいか。
「舞香ちゃん、行ったらダメ。食べられちゃうわよ!」
「カーミママ、ミーママ待ってるよ。」
「まこも、ここにいなさい!」
奥から、何やら騒がしい声が聞こえてきた。
「ミルスさん、カミロさんと何かあったんすか?」
「何も、無いっちゃ。」
「お姉ちゃん!こっちから行くって、言ったでしょ。」
「あらら、そうだっちゃ。」
「ミーママ、こんにちは。」
「こんにちは、舞香ちゃん。お菓子、食べる?」
「うん、食べる。」
「もぅお姉ちゃん、義兄さん達は?」
「知らない、又狩りにでも行ったんじゃない。」
「まぁまぁ、座ってお茶飲みましょうよ。」
「希人君、お姉ちゃんに丸め込まれないでね。」
「人聞きの悪い、私は希人君と今後の医療について話し合っただけよ。」
「そうそう、アカテはうちの両親が来たら真とルアンに行ってもらうんで。」
「えっ、じいじと真里ママもう来るの?」
「そうだよ、舞香。ママと一緒に、迎えに行ってくれるかい?」
「うん、わかった。カーミママも、一緒ね。」
「舞香!もう、一生離さないからね。」
「カーミママ、痛いよ~。」
「カミロ、舞香ちゃんは取り上げないから心配しないで。そもそも、まこちゃんの娘でしょう。」
「ミーママ、カーミママはボクのお母さんでもあるからいいの。」
「はぅッ、まこ!」
「全く、カミロ鼻血拭きなさい。希人君、頑張ってもう一人作りなさいな。」
「はぁ、カンパリマス…。」
「希人、おっとぅとおっかぁはいつ来るの?」
お前は、おしんか?
ミルスさんの所に、里子に出すぞ!
だっちゃさん、期待値満載でこちらを見ない。
「来週くらいかなぁ、ラトリアに着いたら連絡来るよ。真なら、転移でひとっ飛びだろ。」
「まこ、転移も使えるの?やはり、聖母だの。」
「ううん、ボクのは闇魔法。影を使っても移動するの。」
「聖魔術は、使わないのかい?」
「使えない事も無いけど、効率の問題かな。闇魔法の方が、楽だから。」
「確かに、聖魔術は魔力をごっそり持っていかれるからな。転移や蘇生なんて、こちらでもナジロの血を引く者しか使えんからな。」
「ナジロって事は、ミルスさんとカミロさんだけですか?」
「後は、ほら希人君にお世話になっているフレアスちゃん。その内、マコレとモエも使える様になると思うわ。あっ、マコトもそうね。あの子は、規格外だけど。」
「全員、女性若しくは男の娘ですね。」
「そうね、男性は攻撃魔法に特化するから。あっ、マコは男の娘だからどっちもか。と言う事は、マコレもそうなるのか。」
「お姉ちゃんもでしょ!ズルいわよ、何か女ってだけで損した気分よ。」
「あらら、妾は違うわよ。お母様が、政略結婚に使われないように男の子のふりさせてただけだから。」
「わっ、始めて聞いた。義兄さん、知ってるの?」
「あの人は、そんな些細な事に拘らないわ。」
「些細な事ね~。」
「希人君、夕飯は何?」
「お姉ちゃん、皇宮で食べなさいよ。いつまで、居座る気よ。」
「晩ごはん食べたら、帰るわよ。」
「それじゃ、お寿司でも握りますか。仕込みして、来ますね。」
「まこ、お寿司って何だ?」
「お魚の切り身を、握ったライスの上に載せるの。あっちでも、職人さんが作るのは高級料理だよ。」
「うーん、魚の切り身を載っけただけで高級料理って言われてもな。確かに、ナジロに比べてスカルでは魚は値が張るけど。」
「舞香、かんぴょう巻が好き!」
「ボクも、かんぴょう巻が好き!」
「かんぴょう巻とは、なんぞえ?」
「瓜を漬けた奴を、ライスと海苔で巻いた奴。」
「海苔?」
「海藻を乾燥させて、紙みたいにしたやつね。とりあえず、美味しいから楽しみにしておいて。」
「しておいて!」
「舞香ちゃん、オムツ替えようか?」
「アイ、カーミママ。」




