305よっ、大統領!
俺とマコトは、チェルノブイリ原発博物館と言う所に向かう。
ここで、ゼレさんと待ち合わせしている。
「来たか、他の者は誰もいないのか?」
「あぁ、俺達だけだ。お前さんも一人の様だな、ヴァーリー。」
「何を言っているのやら、私はこの国の大統領だよ。」
「ほう、じゃああれ出そうか。」
「待て、待ってくれ。何故、聖王と聖女がここにいる?」
「さぁ、何でだろうな。お前こそ、こちらで何やってるんだ。」
「お前には、関係なかろう。」
「ねぇ、マレト。こいつ、バンってしていい?」
「いいけど、出来れば側の奴は残してほしいかなぁ。」
「ムリだよ、ムカついているから制御出来ないよ。」
「いやいや、何でも言う事聞きます。何でもしますので、勘弁してください!」
「だって。」
「面倒くさいから、バン!」
「ああ、消滅しちゃった。」
「あれ、何処に行ったの?」
「闇の世じゃないか、んしょッと!」
「あっ、先の人だ!何で?」
「あっ、俺のマジコテに放り込んだんだ。」
「じゃあ、あいつだけ闇の世に行ったんだ。マイト、大丈夫かなぁ?」
「大丈夫だろ、マイトはあんな小者じゃないから。さてと、この人は吾朗さんの所に届けるか。俺達じゃあ、この世界の事良くわからんからな。」
「又々、マレトはもうこの世界の事全てわかっているでしょ?」
「いや、マコト程ではないよ。」
闇の眷族が来たので、後は任せてホテルに戻る。
私はもう、西町先生の所にいる。
義父さんは闇の眷族に連れて来られたゼレさんと、話を合わせている。
ヴァーリーに乗っ取られていた時の記憶が、無いらしい。
元々、新喜劇が大好きなゼレさん。
義父さんとは、公私共に交流があった様だ。
しかし、今は合衆国の傀儡としてウクライナを扇動する立場。
どうした物かと、悩んでいる。
そこで、晴明の眷族達の出番だ。
会談には、眷族がゼレさんに成り済まして出る。
その間に、本物のゼレさんは軍部の掌握をする。
西町先生も会談に出るのは、眷族が成り済ました者だ。
ウクライナ軍は、NATOに組み込まれていない。
なので、レイナックさん達天主教に寄って寝返り済みである。
こういった仕事が大好きなレイナックさんは、ロシアの首相時代より活き活きしていた。
そして、小っこい姉さんが私に八つ当たりをしている。
「秋人、何でドンパチせえへんの?つまらないよ、もっと派手にやろうよ。」
「いやー、晴明の眷族優秀だから任せておこう。どうしようも無い事は、沈着冷静なレイナックさんに任せておけば大丈夫だから。」
「僕が、冷静じゃないみたいじゃない。僕は、いつでも落ち着いているよ。」
「マコト、あまり無理言うな。秋人だって脳筋なんだから、戦いたいんだよ。ほら、朝飯だぞ。野菜も、ちゃんと食べろよ。」
「兄さん、ちょっと聞き捨てならない言葉が。これ、うまそうっすね。」
「オニオンのザワークラウトかけと、チキンの香味ソースかけだ。後、ミネストローネも旨いぞ。パンは、ライ麦だが柔らかいと思うぞ。」
「本当、美味しいね。西町のおじちゃんも、いっぱい食べてね。」
「私まで、悪いね。お付きの者も護衛も、影武者についていってしまったからな。うーん、旨い。マレト君、私の好み良くわかったね。」
「視察の時に自分で、惣菜やら買っているだろう。ほら、ニュースになったでしょう。」
「あぁ、確かに。細かい所まで、良く気がつくもんだ。」
「マコト、どや顔してないでちゃんと野菜食べな。秋人を見ろ。サラダ、又おかわりしているぞ。」
「いやー、こいつは筋肉に良さそうだ。旨いっすよ、兄さん!」
何かが、眷族に連れて来られた。
「この、不忠者!我を何と、心得る。冥府を統べる、ヴァーリーであるぞ!」
何だか、騒がしい奴だな。
ヴァーリーって、誰だっけ?
あっ、母上に嫌がらせをしてた奴だ。
何で、こんな所にいるんだろう?
元々死んでいるみたいなもんだから、ここでも当たり前に元気なのか。
「おい、小僧!こいつら、何とかしろ!されば、一の配下にしてやってもいいぞ。痛っ、やめろ!何をする、小僧。」
俺は、奴の神経を何本もブチ切ってやった。
反抗するので、脳神経もブチブチ切ってやった。
眷族が、切れた神経を拾って食べていた。
「何をした、小僧…。お前は、誰だ?」
「忘れたか、ヴァーリー。この姿なら、わかるよな!」
俺は、金色のマウスに変幻した。
「お前は!いえ、あなた様は!我は、とんでもない事を。このまま、楽に逝かせてくださいませ。」
「そうだな、とりあえず喉渇いたな。」
「はい、こちらメロンオレでございます。お茶請けは、いかがでしよ?」
「気が利くじゃん、もらおうか。」
「何でも、言いつけてくださいませ。何なりとご用命に従います、御主人様!」
「そうか、じゃあこれ見て。」
「何でしょ、これは?」
「闇の世の、地図だよ。ここが、西の果てね。そこに、ナンバー2がいるんだ。連れてきて!」
「はぁ、殺さなくてよろしいのですか?」
「今のお前じゃ、ムリだろ。囮になってくれたら、いいよ。後は、俺がするから。あっ、俺の事はマイトって呼ぶ様に。色々、バレちゃうからね。わかった、ヴァー君。」
「はっ、マイト様の仰せのままに!」
ヴァーちゃんが、飛び出して行った。
ここいらの眷族は支配下に治めたが、まだまだ闇の世は広い。
使える者は、使わないと。
所で、何であいつこんな所に?
又、父ちゃんに逆らったんかな?




