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276ビクトリア朝。

 「わがまま言うなよ、シュタイック。ダスティとケリーも、連れて帰れ。ドミヤ兄さんは、俺達がなんとかする。ケリーは、ビリド兄さんに預けてくれ。マコレじゃないかマイカの事も、兄さんに伝えてくれ。」


 「そうだな、個人の感情で動いては駄目だな。俺は、ホーリヤ軍の司令官だったな。それでは、失礼致します。こいつらの事、よろしくお願いします。ダスティ、ケリー、向こうで鍛え直すからな。」


 「頼んだぞ、シュタイック!」


 

 「マイカよ、マコはどうしたのじゃ?」


 「えっ、あたち!マコは、みゃりょくのつきゃいすぎとマイトのしんぴゃいがたたったきゃな。」


 「お主、わしの嫁に似て聡明じゃな。一緒に、赤子の教育をしてくれんか?」


 「ははおやは、マコだよ。」


 「あれは、ダメだ。」


 「マレトおじちゃん…。」


 「そうじゃな、もうちょっと幼ければ一緒にとは思うがの。」


 「いっちょに?」


 「あぁ、今さら教育してもな。」


 「はぁ、そっちね。」


 「とりあえず、しばらくラトリアでゆっくりしてくれ。後日、わしの家族を連れて迎えに来るからの。マイカよ、マイトはダメかもしれんぞ。」


 「しょのときは、しょこまでの男でしょ!」


 「気に入った、ほらこれはわしの攻撃魔術を付与したネックレスじゃ。マイカに、やろう。」


 「ありがとう、おじいちゃん。」


 ニマニマして気持ち悪い、鷹人。


 「マレト殿、これはこの世界のどこでも使える通貨代わりのカードです。お使いください。」


 「済まぬ、晴明殿。」


 「では、行くか晴明。」


 「はい、じいじ!」


 俺とマコレじゃないや、マイカもラトリアに入る。


 「マコト、大丈夫か?」


 「うーん、マレト喉渇いた。」


 「ほい、メロンオレ。マイカとモエも、飲みな。」


 「マイカ?マコレじゃないの?」


 「あちらに渡った一行の、代わりをしてほしいとの事だ。舞香は、娘の名前だ。」


 「モエじゃないんだ?」


 「向こうも、話せるくらいにはなっているからな。」


 「ねぇ、マイトは?」


「闇の世に、堕ちた。」


 《ガクッ!》


 マコトも、堕ちた。


 「マイカ、モエを頼むよ。」


 「あっ、あたしね。ややこしい、マコをお願いね。」


 「アー、ウ~。」


 

 「あなた、舞香をどこへやったのかしら!」


 「わしは、何もしとらん。ビリーから、聞いておるだろう?」


 「何を?私は、あなたに聞いているのです!」


 「晴明、お前からも。」


 「母ちゃん、マクド行こうぜ!」


 「おい、晴明!あぁ~!」


 鷹人も、堕ちた。


 「こら、私のポテトを取るな!」


 「ケチ臭いな、母ちゃん。」


 「私のやるよ、晴明。」


 「ありがとう、美世ちゃん。じいじ、許してやったら。じいじは、悪くないぜ。」


 「わかっているけど、黙ってあの子達を行かせたのが気にくわないのよ。」


 「あのバカ夫婦は、誰も止められないよ。母ちゃん、父さんは?」


 「宝飾店に行ったきり、帰って来ないわ。」


 「あぁ、じいじの給料でビクトリア朝の宝物買うって言ってたわ。二人共、楽しみにしててよ。」


 「なら、許すかな。」


 「姉さん、現金ね。」


 「晴明、向こうの家族はどんな感じ?」


 「悪くは、無いよ。こっちと、良く似ている。マコレちゃん、可愛いかったなぁ。」

 

 「無駄な、努力は辞めなさい。イワノフ君みたいな事は、滅多にないんだから。」


 「母ちゃん、オレも旅に出たいよ。」

 

 「黄昏るな、くそガキ!」


 ホテルに戻ると、夫と義父が満面の笑顔だった。


 気持ち悪い。


 すごく煌びやかでそれでも気品溢れる宝飾品が、数多並べられている。


 「どれでも、好きなのを付けてくれ。全部でも、良いぞ。」


 「義父上、多少足りない分は又働いてもらいますから。」


 「うむ、そうか。」


 二人共、話なんか聞いてやしない。


 眼を¥マークにして、はしゃいでいる。


 まぁ、女性はいつまでも着飾りたいものだ。


 そのまま、ホテル内のレストランに行き夕食を取る。


 ワールドカップは、日本が予選一位通過で大盛り上がりだ。


 「吾朗さんから、連絡が来た。西町先生が、キーウに行くそうだ。」


 「父さん、何でキーウに。」

 

 「アメリカ大統領が、建国宣言にキーウに行く。西町先生が、総理になった事でちょっとな。今のうちに、動くらしい。正式に就任すると、勝手に動けないからな。晴明、動けるか?」


 「いいですけど、西町先生何をする気ですか?」


 「どうやら、日米安保を離脱するつもりの様だ。」


 「ややこしいなぁ、今はその時期じゃないでしょ。」


 「だから、お前に頼むんだ。希人がいないんじゃ、お前しか頼めない。」


 「ねぇ、ビリー、晴明、何難しい話してんの?」


 「ん、この先の日本の舵取りの話だよ。」


 「あっ、そう。このフカヒレ、美味しいわよ。アラブは、お金があったら天国ね。」


 「母ちゃん、ほら。」


 晴明がスマホを開いて、なにやら夏世に見せている。


 「まぁ、晴明ちゃん。思った通り、賢い子だったのね。お母さんは、信じてましたよ。」


 「ありがとう、母ちゃん。楽、させてあげるね。」


 「ところで、美世ちゃん。来週、ラトリアに行くのでついて来てくれんか?」


 「何しに、行くの?」


 「こちらに来た一家を迎えに、行こうと思ってな。」


 「二人で?」


 「そうじゃ、久しぶりにわしに乗ってみんか?」


 








 

西町先生、総理就任おめでとうございます。

嬉しくない、そうですね。

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