298ドミノ。
私は今、目の前の岩に向かって計算式を投影させている。
闇の世に堕とされて以来、考える事から切り離された。
しかし、私には武器があった。
多元演算、計算処理を一元化せず多方面からする力だ。
父上が死が迫る状況で鍛錬して、取得しろと言ったスキルだ。
まさか、この状況で取得出来るとは思わなかった。
今やっている事は、この闇の世の広さを確認する作業だ。
これをやっておかなければ、支配も何も無い。
制圧する為には、武力より情報だ。
そして、もう一つの演算処理で壁にマコレの笑顔を映し出す。
ニマニマが、止まらない。
この美貌で、男の子なんて。
信じられます?
あぁ神よ、マコレよ!
「ウゥッ、ブルッ!」
「ドウシチャノ、マイカママ?」
「大丈夫よ、モエ。ちょっと、背筋を悪寒が。」
「マイカちゃん、疲れがたまってるのかね?しばらく、ゆっくり休みなさい。」
「はい、みーママ。」
「姉さん、義兄さん大丈夫かしら。間違って、攻撃されてない?」
「大丈夫よ、叶ちゃんのお父さんがいるもの。鷹人も、少しくらいやられればいいのよ。それに、海上施設はラトリアの老師が抑えてくれるわ。」
「今ごろは、ビリーもトルコか。秋人達が、うまくやってくれればいいんだけど。」
「吾朗さん、次第ね。西町先生が命投げ打って、頑張ってくれてるわ。それにしても、モエちゃんの両親も凄いわね。後、晴明がどんどん化け物染みて来てるわ。」
「大丈夫よ、私の息子だもん。あのおちゃらけぶりは、一生治らないから。」
「貴女に、似たのね。」
「もう、姉さん!」
在日米軍の制圧は、着々と終わった。
航空戦力は、鷹人が無力化。
海洋戦力も、ラトリアの艦隊で抑えた。
地上部隊は、伊藤幕僚総監の元で自衛隊が制圧。
浜幸ジュニアの高笑いが、止まらない。
「マイカママ、おなかちゅいた。」
「夏世ママ、モエお腹空いたみたい。」
「ちょっと、待ってね。」
夏世ママが、おっぱいをあげている。
「マイカ、おむつも換えようか。」
みーママが、オムツを出してくれた。
「マイカ、上手ね。いつも、やってたの。」
「ううん、マレトおじちゃんが忙しい時だけ。」
「マコは、やらないの?」
「自分の事もあんまり出来ない子だから、一生懸命やろうとはするんだけど…。」
「わかるわ。」
わかってしまわれた。
「マイカも、お腹空いたでしょ。何か、食べたい物ある?」
「何でも、こっちのは何食べてもおいしいので。」
「そっか、じゃあピザ頼みましょう。」
そう言うと、メイドさんが電話をかけていた。
こちらのメイドさんは、あまり干渉してこない。
ホーリヤ家は、上から下までお付きの者がすべてする。
ただし、我が家とマコん家は違った。
凄い、すぐピザと言う物が届いた。
「これが、ピザですか?上にかかってるのは、モウの乳ですね。」
「モウ?あっ、牛ね。良く、わかったわね。そう、その乳を発酵させた物よ。熱いから、気をつけて食べてね。」
ムホッ、何なの!
野菜の酸味とモウの甘みが絶妙に絡み合って、この生地の上で踊る。
あたちは、フゥフゥして冷ましたのをモエに食べさせる。
満面の、笑顔だ。
「オイチ、マイカママ!」
「良かったわ、モエちゃんにも気に入ってもらえて。このエビの揚げたのも、絶品よ。」
「ブヘッ、これ何ですか?」
「コーラよ、なれるとこのシュワシユワがくせになるのよ。」
試しに、モエにもちょっと飲ませた。
「ゴクッ、ゴクッ、プハァー、ゲップ!オイチ。」
強者ね、モエ。
タワマンに、防人夫妻がやって来た。
「孫娘達に、逢いに来たぞ。ほら、これ西松屋でいっぱい買うて来たで。」
「こんなにいっぱい、二人共着れるかしら。」
「美世、これも持って来たわよ。」
「真里姉、まだ早いんじゃない?」
最新式の、ノートパソコン。
「マイカなら、すぐ使いこなせるわよ。」
「ありがとうございます、お祖父様、お祖母様。」
「堅苦しいわね、じいじとばあばで良いわよ。モエちゃんにも、これね。」
等身大の、ドラえもん師匠。
ポケットが、マジカルボックスになっている。
「ありがちょ、ございまちゅ。」
「あら、ピザ食べてたの。ナイーフのケーキ買って来たんだけど、食べれそう?」
「全然、大丈夫よ。」
メイドさんが、お茶の用意をし始めた。
「秋人達の様子は、どう?ビリー君から、連絡あったの。」
「うん、晴明から連絡が入ってますよ。みんな、呑気に観光気分らしいですわ。向こうのマレト君と晴明で、相手の無力化は終わったそうです。身辺警護は、スペシャリストの秋人がいるから問題ないって。ただ…。」
「ただ…?」
「マコちゃんが暴れ足りないって、文句を言ってるそうよ。」
「はぁー、あの爆弾幼女!これは、バトル物の話じゃない。ファンタジーなのよ。」
「マイカちゃんって、マコちゃんの姪っ子よね。」
「姪って言うか、従姉妹です。それで、不本意ながら親友です。すいません、バカ娘で!」
「ママ、バカなのー!」
「あらら、真と同じね。でも、マイカちゃんがいて良かったわね。」
「皆さんも、よろしくお願い致します。」
「いたちマチュー!」
「おぅ、賢いなモエちゃんは。マコちゃんも、賢いと聞いておったけど?」
「てへぺろ!」
「良かったね、モエ。マコは、常識が備わっていないんです。」
「うん、マイカママのいうちょーり!」
「アハハ、ラリーネちゃん一人で大丈夫かしら?」
「ずっと、うちの病院にいるぞ。郁恵ちゃんの付き添い、楽しそうにしてたよ。郁恵ちゃん、退院したら進藤さん所に居候するそうだ。」
「ドン君、良く了承したわね。」
「それなんだが、わし等夫婦とドン君で異世界に行く事になった。ドン君は、行ったり来たりだがわし等はしばらく帰って来れん。」
「えっ、異世界!」
さすが、マコの娘!
どや顔のモエ!




