289お役御免。
「えっ、何で?」
「兵糧の事で、スカルの国家予算食い潰したじゃないですか。あれで、コルザ様から損害請求されて。仕方なく、オイク様が商会の株で補填したんですよ。」
「あれは、マレトの策略に嵌まったスカル軍のせいだぞ。コルザの野郎!」
「知りませんよ、今はビリド様が会頭ですからそちらに問い合わせてください。」
商会に、行ってみるか。
商会に行く途中、ミルスに掴まった。
「何事も無い様に、通り過ぎないの!今頃、のこのこ帰って来て。ドレイクには、会ったの?」
「あぁ、ありゃスカルの子だな。オイクに、そっくりだ。」
「よかったじゃない、ぼんくらのあんたに似なくて。」
「ぼんくらからの、土産だ。マコは、向こうで元気そうだったぞ。マイトの事もあるから、大変だろうけど。」
「タカトが、闇の世に行くって危なかったのよ。行ける訳、無いのに。」
「気持ちは、わかるよ。みんな、元気そうで何よりだ。カリン様が、ドレイクの所にいるぞ。」
そのまま、行ってしまった。
「会頭、ドミヤ様が来られました。」
「兄さん、無事で何よりだ。」
「あぁ、どうなっている?」
「一応、コルザ様からの依頼で商会の面倒見る事になったんだ。帰って来たんなら、兄さんに戻すよ。」
「いや、ビリドこのまま商会を頼めるか?」
「どうして?」
「ホーリヤだけ、自治領扱いになっているだろう。大陸の為に独立して、仮想敵国にしようと思ってな。敵って言うのは何だが、一国家の専制主義は御免だ。」
「相変わらず、反骨精神満載ですね。本当は、アキトのそばにいたいクセに。」
「それは、大丈夫だ。コルザの野郎が、裏で操るだろうから。」
「私も、操られてますよ。カミロが、向こうの舞香ちゃんと一緒に帝都にいますよ。あちらの土産、あるんでしょ。寄ってあげて、ください。」
「わかった、コルザもしばかないとだしな。」
「お手柔らかに。」
マコレの事は知らない様だが、マコは元気そうで何よりだ。
マイトの事もあろうが、私も娘がいなくて寂しい。
カミロが、舞香ちゃんを離さないのもしょうがない。
私も、引き継ぎが終わればゆっくり出来る。
カミロ達を連れて、アカテの温泉でも行くかな。
ケリーの父親、ホーリヤ支店長からの引き継ぎも終わらせた。
後は、帝都の本店の店長として赴任するだけだ。
ホーリヤ支店長が最高責任者なのだから、本店をこちらにと思ったがダメらしい。
名誉職でも、会頭が帝都の店長なのだから本店はあちらだと言う事だ。
さぁ、妻に会いに行こう。
マコレがいなくなって落ち込んでいるだろうから、何でも言う事を聞いてやろう。
ホーリヤの駅、何故かホーリヤ支店長とダスティがいる。
「ビリド様、ドミヤ様からお付きの護衛にと言い使っております。」
「私は、本店の決算報告を受けに。決して、息子に会いたい訳ではありません。」
「いやいや、ちゃんと二人共ケリー君に会わせますよ。じゃあ、駅弁とビール買って乗りましょう。」
「会頭、この辺りは余り被害もなかったようですね。会頭、!」
「あっ、悪い。慣れなくて、何の話?」
「この辺りの農地整理と潅漑をどうしたものかと、思いまして。」
「そんなの、奴隷と賦役で賄えばいいんじゃないですか?」
「ダスティ中佐、今は奴隷制度は犯罪者にしか適用されておらん。賦役も、普通に雇わねば誰もやらんぞ。」
「ああ、そうなんだ。雇うにしても、口利き屋がつぶれたからね。商会で、一部引き受けたんだが。」
「口利き屋もヤクザとは言え、必要悪でしたかねぇ。」
「商会をモデルに、組合を立ち上げてはどうだろう?冒険者ギルドの様に、商業ギルドの様な。」
「そうですな、冒険者ギルドに手伝ってもらえればとは思いますが。私共は、伝手がありません。」
「支店長、任せてくださいよ。俺、帝都のギルド本部長の弟子ですから。」
「ダスティ、お前冒険者やってたのか?」
「ビリド様も、知っているでしょ?あの、赤い魔女ですよ。」
「あぁ、大丈夫なのか?私は、あまり関わりたくないな。」
「マコがいれば、二つ返事で協力してくれるのに。」
「いない者は、しょうがない。ダスティ、支店長殿その線でやってくれないか。コルザ様とアキトには、私から報告しておく。」
「そうですね、商会の汚名返上の為にも微力を尽くしましょう。」
赤い魔女、私達兄弟の剣術師範だった人だ。
ナジロ出身なのに、ホーリヤ最強の剣士と言われた。
マコに負けて、ホーリヤからスカルに移り住んだと聞いた。
そうか、今は冒険者ギルドの女本部長か。
彼女の実力なら、間違いないだろう。
私は、あんなシゴキは嫌だから会いたくないが。
又、厄介事に首を突っ込むビリドさん。




