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285こちらも、出産ラッシュ。

 ラトリアの拡張工事も目処がついたので、あたし達は明石と言う所に向かう事にした。


 野口のおじちゃんが先に行ったが、フェリーは置いて行ったのでそのまま相生に向かうらしい。


 マレトおじちゃんとマコは、秋人お兄ちゃんとレイナックおじさんと共にウクライナに行った。


 総理大臣の警護と、ビリーさん親子と連携をつける為に。


 晴明お兄ちゃんの要請で、マコがドミヤおじさんを強制送還するんだって。


 ドミヤおじさん、マコがこっちにいるってわかったら帰らない可能性があるからね。


 あたしは、モエの面倒をみながらデッキテラスでお茶を飲んでいる。


 哺乳瓶をごくごくするモエも、だいぶ大きくなってきた。


 あたしの目の前にいるかわいいおばあちゃん、みぃママがモエを離さない。


 鷹人じいじが、すごく寂しそう。


 「マイカ、この絵本読んであげようか。」


 瑠亜お姉ちゃん、秋人お兄ちゃんが出掛けてからずっとあたしにべったりだ。


 「お姉ちゃん、あたしに日本語教えて欲しいな。」


 「平仮名は、一緒よ。漢字は、多少違うけどマイカならすぐ覚えるわ。」


 喋っていて、何となくわかったけどここの言葉はアニス教国とほぼ一緒だ。あたしは、大陸の言語に精通しているから不自由はさほどない。


 漢字と言う物も、アニスの聖典文字に近い。


 マイトは、宗教ぎらいだったから苦労したかな。


 まっ、あの子なら大した事ではないか。


 やっぱり、忘れようとしても無理みたいだ。


 「お姉ちゃん、秋人お兄ちゃんがいなくて淋しくない?」


 「そりゃあね、でもみんながいるからね。それに、あの人は私に夢中なのよ。タハハッハ!」


 底抜けに、明るい。


 女神様って、こんな人の事を言うんだ。


 ルアンお姉ちゃんとも、ちょっと違う。


 ルアンお姉ちゃんは、背負っている物が大きいのよね。


 「お昼の用意が、調いましたよ。」


 メイドさんが、呼びに来た。


 ミーナお姉ちゃんは、レイナックおじさんについて行った。


 イワノフさんが、殺されないように。


 今日は、こちらの習慣でカレーと言う物が出てきた。


 海では日にちの感覚が鈍るので、決まった日に出すそうだ。


 向こうでも、薬膳でカレーを出す事はある。


 苦くて辛い、とても美味しいとは思わない。


 私が戸惑っていると、じいじが大きい口で食べ出した。


 「マイカ、甘くて美味しいぞ。騙されたと思って、食べてごらん。」


 じいじに言われるまま、一口放り込む。


「わぁ、何これ!止まらない、すごく美味しい。」


 あたしに合わせて、ひき肉を使ったり野菜を細かくして蜂蜜たっぷりに甘口に仕上げたとの事。


 「おかわりも、あるぞ。おっ、モエもいける口だな。」


 モエも、美味しそうに食べさせてもらっている。


 あたしも、モエも口の周りがベトベトだ。


 「マイカ、こっち向いてごらん。」


 「ありがとう、瑠亜お姉ちゃん。おかわり!」


 「はい、どうぞ。無くならないから、ゆっくり食べてね。」


 「うん!」


 「ハムッ!」


 瑠亜お姉ちゃんが、あたしを食べた。


 「瑠亜お姉ちゃん…。」


 「マイカ、かわいい!美味しそう!」


 みぃママも、モエを食べようとしている。


 「落ち着きなはれ、皆さん。」


 【落ち着いているわよ!】


 田じぃ、かわいそう。


 食休みに、みぃママがナースコーラーのライブ映像を見せてくれた。


 とっても華やかで、キラキラ可愛かった。


 あたしも、あの中で踊りたいなぁ。


 次の日には、相生に着いた。


 港に降りると、瑠亜お姉ちゃんのお母さんと希人さんのお母さんが迎えに来てくれていた。


 みぃママが、慌ててメイドさんに拉致されている。


 叶さんって言う人が、危ないらしい。


 マコも、急遽ウクライナへ向かう途中でこちらに来ているとの事。


 マコは、あぁ見えて皇后様の手術や色んな人の病気を治癒では無く外科処置で治す名医だったりする。


 治癒では治せないのが、産科医療なのだ。


 馬鹿では無い、ちょっと足りていないだけだ。


 マコがいるなら、安心だろう。


 「かわいい、マイカにモエね。貴女達の、おばあちゃんのまりですよ。」


 「よろしくお願いいたします、マイカとモエです。」


 「ウー、アー。」


 「瑠亜、この子うちの子にしましょう。まりちゃん、モエちゃんがいるからいいでしょ?」


 「お母さん、私もできたのよ。」


 「まぁ、瑠亜!男の子、女の子?」


 「気が、早いわよ。」


 「郁恵ちゃんが落ち着いたら、ちゃんと診てもらいましょ。」


 「郁恵先生は、無事に生まれたんでしょ。どっち?」


 「女の子よ、とっても大きな丈夫な赤ちゃんよ。」


 「叶ちゃんが、心配ね。」


 「向こうのマコちゃんが、上手くやってくれたわ。双子は、ちょっと心配だけど。美世ちゃんが来たから、大丈夫よ。」


 「へぇ、あの子もやっぱり凄いんだ。」


 「マイカ、知ってた?」


 「うん、マコは向こうの絶対的守護者だったから。」


 「人は、見かけに寄らないわね。」


 「マーマ、シュゴッ!」


 「そうよ、モエちゃんのママ凄いんだって。」


 「キャハ、ンキャキャ!」


 「まっ、皇后だもんね。マイカも、次の皇后でしょ?」


 「もう、マイトは皇太子じゃないから。それに、帝国も残っているのか?」


 「まっ、こっちで楽しみな。マイカだって赤ちゃんなんだから、わがままいっぱいしていいんだからね。」


 「ありがとう、瑠亜お姉ちゃん。」

田じぃ、学んで。

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