275マコレ、改名。
続編始めました。
よろしく、お願いします。
ここが、闇の世。
闇なのに、暗くは無いんだな。
ここで私は、どうなるのだろう。
一体、何をすればいいのか?
お腹は空かないが、喉渇いたな。
ケリーもいないし、今は皇太子では無くただの罪人か。
生活魔法位、使えたらな。
父上の遺伝かなぁ。
私は、何故あの人達を殺そうとしたのだろう?
ドミヤ伯父から、異世界を見て来いと言われた。
異世界は、何でもあり何でも叶う所だった。
そして、有り余った希望を皆と奪いあっていた。
その中でも、あの人達はその希望を独占している様に見えた。
幸せそうで、持っている力をひけらかす。
あの力を奪えば、エッダの大陸は上手く行く。
異世界のバカ達を利用して、エッダを豊かにする。
とりあえず、ここにとどまっても。
魔力は、ある様だ。
魔術は使えないが、演算機能に支障はなさそうだ。
今、持っている物は何も無い。
さぁ、歩くか。
闇の眷族と言っても、人間とは違う。
何だろ、無機質な物体が人を型どっている。
後をついて行くと、聖堂の様な場所が見えた。
ここに入るのには、精神を閉じねばならぬそうだ。
演算機能が、使えなくなる。
これで、私は終わる。
「お前の父親も、ここに来た。」
不意に、前を行く眷族が言い出した。
「ここに、何をしに来られたのですか?」
「あれを捨てに。」
そこに、あったのは心臓?
まだ、生々しい。
どういう、事だ。
父上は、まだ生きている。
それ以上、眷族は何も答えてくれなかった。
私の意識も、ここで無くなる。
マコレ、愛している。
「マコレ、疲れたね。一休み、しよう。どうしたの?」
「マコは、マイトのことかんじてりゅ?」
「わからない、モエが産まれてからはあんまりね。マイトに、何かあったの?」
「うん、いしきがにゃくにゃった。いきては、いりゅみたい。」
「昔、マレトもしばらくそんな事があったわね。どうしてたのかは、言わなかったけど。」
「聖母様、老師達が戻って参りました。」
「いこ、マコ。」
「モエ、パパが帰って来ましたよ。お兄ちゃんにも、挨拶しましょうね。」
「ウ~ア、バヴ~!」
「ほう、まこ大分小っこくなったな。」
「じいじ、あちらは向こうの聖母だよ。」
「そ、そうか。では、あの子供たちもか?」
「初めまして、マレトの妻のマコトです。後、姪のマコレと娘のモエです。この度は、バカ息子が迷惑をかけて申し訳ありませんでした。きっちり、落とし前はつけてもらえたでしょうか?」
「いやはや、ウチの娘と違ってしっかりしておるの。マイトは、ちと修行に行かせてある。」
「ウッ、ドスン!」
マコトが、後ろに倒れた。
「何じゃ!大丈夫か?」
「もうしわけ、ありません。マコは、きんちょうで。あたちが、きゃわりに。」
モエを抱いていた、マコレが代わりに話す。
「私が、聖母様と赤ん坊を見ときましょう。ちょっと、失礼しますよ。」
何人かメイドが来て、老師と共にマコト達を連れて行く。
「お願いします、老師殿。済まんな、マコレ。」
「マレトおじちゃん、マイトは?」
「こちらの王様が、命を助けて下さった。今は、闇の世に落ちている。」
「やみのよ?」
「あぁ、王様が支配する世界だ。そこから這い上がれなければ、マイトは終わりだ。」
「おわりなにょ?」
「実は俺も、堕ちた事がある。マコの為に、自らだけどな。」
「ほう、お主も堕ちておったか。道理で、わしの鑑定が効かぬ訳じゃ。何を代償に、した?」
「はい、命を。」
「そうか、わしと同じ抜け殻なのだな。楽しいのか?」
「えぇ、とっても。」
「果たして、マイトも命を差し出せるかな?」
「マコレが、居りますから。」
「おじちゃん…。」
「マコレよ、名前を変えよ。わしの孫として、マイカと名乗れ。しばらくこの世で、こ奴らの娘として暮らせ。」
「モエがいりゅよ。」
「あの子は、ちと危険じゃ。マレトよ、気づいておろう。」
「わかりますか、あのまま向こうにいたら大変な事に。お願い出来ますか、王様。」
「父で、よいぞ。わしの妻に、預けよう。バランスが、とれるじゃろう。マイカよ、じいちゃんでええからの。」
「えっと…。」
「おいおい、慣れればよい。晴明、どうした?」
「紛争は、終わったみたい。モロッコとアルゼンチンが調停に乗り出すって。日本は総理が、代わるみたいだね。」
「だいぶ、儲かったな晴明。」
「何の事かなぁ。」
「それで、ホーリヤ軍とか言ったか。帰ってもらっても、構わんぞ。」
「いえ、残らしてください。マコ達の事があります。後、ドミヤ様も気がかりなので。」
「わがまま言うなよ、シュタイック。」