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ある日、父が死んだ  作者: みゆたろ
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5-3

ーーダメだ。この四人には油断してはいけない。

父の残したメッセージ。

僕は念のためコピーを取っておく事にした。

万が一、やぶられでもしたらーー。

もしかしたら、彼らのうちの誰かが父を殺害したかも知れないのだから。


予定を忘れないうちに、机の上に置いたメモ帳

に記した。


ーー万が一、僕に何かがあれば、彼に疑いがかかるだろう。


破られるかもしれない。


僕は普段よりも、筆圧を強くして彼の名前をかいた。


8時⚪️⚪️ファミレス。

山崎太郎。


ただ、それだけの記入で腕が疲れていた。

強く書きすぎたのだろう。



翌日。

僕は山崎太郎という人物に会いに行った。

約束の夜8時より、5分程度、遅れてきた。

「ーー君が健吾の?」

ぼんやりとケータイを見つめる僕に、彼は言う。

「はい。ーーあなたが父さんの友人の太郎さんですか?」

「そうだよ」

彼は名刺を僕に差し出した。僕は名刺をもっていないので「斎藤健吾の息子の秀二と言います。突然呼び出してしまい、すいません」と頭を下げる。


「ーー早速だが本題に入ってくれるかな?」

短髪で眼鏡の太郎と言う男は話を急がせた。


「実は、父の遺品を整理していたところ、こんなものが見つかったんです。ーーどう思いますか?」

僕はそのコピーを手渡した。

「ん?」

太郎は不思議そうに言った。

「君のお父さんは殺されたのか?」

「どーしてそう思ったんですか?」

「こんなメモがあれば、誰だって殺人を疑うだろう」

「警察の人は自殺だと言っていました。でも、そのメモを見た時、自殺ではない気がして」

「ーー君はどう思う?」

「僕も殺人なんじゃないか、と思ってます」

「そうだろう。ーーもしお父さんが殺されたのだとしたら、君はどーするつもりなんだ?」

「ーーわかりません。ただ僕は真実が知りたいーー後の三人にも会ってみるつもりです」

「そうか」

「最後に一つ質問があります」

「なんだね?」

「父が殺されるような理由はあったのでしょうか?僕には思い付かなかったので」

「どうだろう?」

太郎にも分からないようだ。

僕はまた連絡します。と言って、太郎と別れた。


家に帰ると僕はなぜか泥の様に疲れ果てていた。長時間、緊張が続いたせいだろう。

少なくてもこんな日が後三日はあるのだ。

僕は本当に真実を探し当てる事が出来るのだろうか?



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