表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ある日、父が死んだ  作者: みゆたろ
8/39

5-2

翌日、昼。


僕は父のケータイから、一本の電話をするつもりだ。

このケータイもいつまで維持出来るのか?わからない。ーー僕には時間がなかった。

まず山崎太郎と言う人物に僕は電話をかけた。

ケータイの電話帳に、彼ら四人の名前と番号が登録されていた。


山崎太郎。


三度目のコール音の後、鼻にかけるような女の声が聞こえてくる。

「ーーもしもし?」

「あなた誰?」

女はそう言いながら、タバコでも吸っているようにして、深い息を吐き出す。


ーー僕、間違えたかな?それとも電話番号が変わってる?


それはこっちが聞きたい。と思いながら、僕は聞いた。

「僕は斎藤と言います。山崎さんのケータイですよね?」

「そうよーー斎藤さん?ちょっと待って。太郎に変わるから」


受話器の向こうで女の声が言う。

「太郎ーー電話」

「はーい」


ーー良かった。間違いじゃない。


「もしもし、どなた?」

低めの男の声が響いてから僕は話始めた。

「いきなりのお電話ですいません。僕、斎藤秀二と言います」

「斎藤?ーーあー健吾の息子??」

「そうです。生前、父がお世話になったそうですので、父の事でお話しておきたい事があります」

「ーーどんな?」

不思議そうな声で、彼は言った。

「先月、父がなくなりましたーーそして、見てほしいものがあるので、一度お会いできないでしょうか?」

「あぁ、夜ならいーよ」

「それじゃ明日いいですか?」

「構わないよ。ーー何時にどこで?」

「夜8時、⚪️⚪️ファミレスでどうですか?」

「わかった。それじゃ明日、8時にーー」

声だけ聞いていると、とても誠実そうな人が思い浮かんだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ