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ある日、父が死んだ  作者: みゆたろ
7/39

5-1

「あなたのお父さんと、私はまだ付き合ってたの」

同意を示すように俺は頷く。

「あの人が自殺をする様な精神状態なら、私が気がつくはずよ」


根拠のある話ではない事を知った。

だが、女には第六感があると言う。

俺もその第六感を信じてみたい気持ちになった。


「実は、、父さんの遺品の中から、こんなものが見つかったんです。ーーどう思いますか?」

秀二は、一枚の封筒を原口さんに手渡しする。

「ーー何これ?」

それを受けとると、原口は中の便箋を取り出す。

「ーー?」

女は言葉を無くす。

「俺、意味がわからないんですけど。父さんが残してくれたメッセージな気がしてならないんです」

「その可能性、高いと思うわ」

原口も頷く。

「なぜ、そう思いますか?」

「ここに書いてあるこの人たち、四人ーーあなたのお父さんとトラブルを起こした相手ばかりよ?」

「え?そうなん、、ですか?」

「彼らが原因で、私たちは結婚出来ずにいるのよーー」

「どーゆー事ですか?」

秀二は聞いた。

「私たち、結婚しようと言う話まで進んでたのーーもちろん結婚するつもりだったし、貴方とも一緒に暮らすはずだった。ーーでも、、」

原口は口ごもった。


「誰かはわからないけど、あの四人の中の誰かに狙われている、と健吾が行っていた。ーーだから、秀二の事も俺が守ると言って、貴方を引き取ったのよ。ーー私も一緒にいたら、危険な目に遭うかも知れないと、私を気遣って健吾は、結婚するのを、そのトラブルが終わるまで待とうと言ってーー」

原口は涙ぐんでいる。


ーーなるほど。

それで、父が婚姻届を持っていたのか、、。


俺はようやく父の人物像がわかった気がした。


「ーー俺、この四人に会ってみようと思うんです。」


「どうして?」


「父の死の真相が知りたいから」


「ーーくれぐれも気を付けなさいよ」


原口さんはそう言って、僕を真剣な眼差しで見た。母という存在に馴染みがないが、原口という人にはなぜか安心感を覚える俺がいた。


こうして俺は原口という女と別れた。



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