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「ーーまた来るね」
眠っている母に、そう言って僕は病院を後にする。
家までの道中。
これまでの僕の毎日が呼び起こされる。
母が倒れ、父の死の真相は利用されるだけだったし、そして僕はーー。
僕がこれからしようとしてる事はーー。
家に帰ると、母が入院してから常に敷きっぱなしの布団が待っている。
もしかしたら、そろそろ干した方が良いのかもしれないが、そんな事、僕にはどーでもいい。
そのまま僕は布団に転がった。
これからの計画を練るには、十分な時間があったはずだ。着実に準備は出来ているーーもう実行にうつすだけだ。
その夜。
僕は久しぶりに夢を見た。
忘れたくても忘れられない。あの悲しい夢をーー。