8-1
これから僕は、また彼らに会おうと思っている。事実を事実として確認するためにーー。
僕はあの紙に書かれた四人のうち、刑務所にいない一人を覗いて、三人と同時刻に会う約束をとるつもりだ。
まずは藤田しげるに電話をする。
3度目のコールオンの後、彼は電話に出た。
「もしもし?」
「この前はありがとうございました。斎藤秀二ですが、、」
「あぁ、あの時のーー」
「もう一度、僕と会う時間を作ってくれないでしょうか?」
「明日の夜でいいかな?」
「はい。8時頃でいいですか?」
「あぁ、いーよ」
「待ち合わせの場所は前回と同じ喫茶店でいいですか?」
「あぁ」
藤田しげるは明日夜、8時だという。この時間に合わせてもらえばいい。
電話を切ってすぐ僕は、山崎太郎に電話した。
「もしもし」
コールオンが鳴るか、ならないか?くらいで彼は電話に出た。
「もしもし、この前はありがとうございます。斎藤秀二です。またお時間を作っていただけないでしょうか?」
「あぁ、いーよ。いつ?」
「明日の夜8時頃がいいんですが、、」
「わかった。前と同じ喫茶店でいいかな?」
「はい。お願いします」
山崎太郎も夜8時で約束した。
最後は、沢田昌平だ。僕はすぐに電話をかける。
沢田昌平は数回のコールオンの後、留守番電話になった。
「斎藤です。また電話します」
メッセージを残して電話を切ると、すぐに沢田昌平から着信がなった。
「もしもし?」
「あ、もしもし、斎藤秀二ですがーー」
「あぁ、あの時のーー?」
「はい。またお時間を作っていただきたいんですが、、」
「いーよ。明日の夜ならーー」
「それじゃ明日の夜8時に例の喫茶店でいかがですか?」
「いーよ」
これで三人と会える事になる。
僕は一体どーなるのだろう?
一抹の不安を抱えながら、僕は希望にも似た思いを感じていた。
その日。僕は恵が帰宅する前に眠ってしまった。
目を冷ますと少し体が重たく感じた。
「かったるいーー」
布団から出ないまま、夜までいられそうだ。
六時くらいには起きればいいだろう。
夕方5時。
「ただいまー」
その声と共に、恵が顔を出した。
「お帰りなさい。今日、例の三人と会ってくるんだ」
「どこで?」
恵は聞いた。
「前に会ってもらった喫茶店ーースマイルってとこだよ」
「気を付けなさいーーあなたも殺されたりすることのないように」
「ーー大丈夫。行ってきます」
夕方まで眠っていたせいか、あっとゆー間に待ち合わせの時間が近づいてきていた。
8時。
あの喫茶店スマイルには、既に待ち合わせた三人が来ていた。
「こんばんは。ギリギリになってすいません」
「とりあえずコーヒー頼んであるぞ」
藤田しげるがそう言った。
「ーーありがとうございます」
「まさか、3人とも同じ時間に待ち合わせるとはな、、一体何を考えてる?」
沢田昌平がメガネの奥から覗き込むような険しい目をした。
「そうですよね。僕はただ真実が知りたいだけなんですよーー誰も責める気はありません」
「健吾もそう言ってたよなーー?」
山田太郎が口を挟む。
ーー父が死んだ原因はある程度、調べました。
秀二は届いたアイスコーヒーを飲もうとしたが、吹き出してしまった。
他の3人は平然と飲んでいるが、もしかしたらこの中に何かが入っているのか?そんな事を考えたりもしたが、そーゆー訳ではない。