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ある日、父が死んだ  作者: みゆたろ
19/39

7-1

彼の名前は藤田圭(けい)

どうやら秀二と恵。その二人に話したい事があるのだと言う。

父の死から、立ち直れないまま二人は圭を迎え入れる。

彼にお茶を注ぎ、差し出すと恵も座った。


「それで話と言うのは?」

「こんな事、話すのもどうなのかと思って、随分迷ったんだけど、、」

「どーゆー話なんだ?」

「お前の、、父親の事なんだ」

「うん。父さんが死んでもー2ヶ月以上たっているけど、、未だに立ち直れないよ」

秀二はぼやいている。

「ーー覚悟して、聞いてほしいんだ」

深刻そうな藤田圭の顔を見れば、いい話ではないのは分かった。

大きく深呼吸を二度ほど繰り返してから、僕は言った。

「ーーそれで?」

恵は黙ったまま、真剣な顔をしている。


「うん。ーーすごく言いにくいんだけど」

「遠慮はいらない。話してくれ」

秀二が言った。

「健吾、殺されたんだろ?」

「警察は自殺だって言ってるよ。ーーでも、僕らは違うと思ってる」

「健吾は間違いなく殺されたんだーー俺、あの時、犯人を見たんだ」

「ーー犯人を?」

「あぁ」

「どんな人だった?」

「体格はがっしりとしてて、メガネ、、かけてたな。髪型が短髪で天然パーマだったな、、」

「ほんとか?」

「あぁ、名前はわからないけどーー」

「これを見てくれ!」

父が僕に残した四人の名前しか書かれていない紙を、圭に差し出す。

「何だこれ?」

圭は不思議そうな顔をしている。

「多分、この四人の中の誰かが父を殺したんだーー僕はそう思っている」

「ーーで、いたのか?俺が見たような人物は?」

「あぁ、山田太郎と言う男だ」

「念のため、圭にも会ってみて欲しいんだ」

「わかった」

「今電話するから、少し待っててくれ」

圭は頷いた。

その日の夜、秀二と圭は山田太郎に会うことになった。


あえて少し離れて別席に座った圭。秀二と太郎が話していると、秀二のケータイのラインが鳴り響く。


「あぁ、アイツだーー間違いない」

俺にそう教えてくれた。


「ところで、犯人を見たって言うその話、警察には??」

「聞きに来たら話そうと思ってたんだけど、、聞きに来ないから、まだ話してないよ」

「そっか。警察に話す前に僕に話してくれてありがとう」


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