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ある日、父が死んだ  作者: みゆたろ
16/39

6-1

恵は受話器を置くと、すぐに昔の同級生だった藤沢誠に電話を入れた。


「ーーもしもし、藤沢くん?」

「そうだけど?誰?」

「私よ。中学の同級生だった原口恵」

「あぁ、久しぶりー」

急に彼は軽い声を出した。

「まだ警官やってる?」

「一応ね、、」

「お願いがあるんだけど、聞いてくれるかなぁ?」

急に恵は猫なで声を出した。

「何?」

「ちょっと調べてほしいものがあるのーー昔の事件に関係ありそうなんだけど、、どう?」

「どんな事件?」

「殺人事件の証拠になる物だと思うんだけど、、?」

「いーよ。内緒で調べてやるよ」

持つべきものは善き友だ、と思う。

明日、品物を持っていくと言って、恵は受話器を置いた。


買い物をして家に帰ると、もう秀二が帰っていた。


「どうだった?警察の人ーー?」

言葉少なに秀二が聞いた。

「調べてくれるそうよ。ところでどーゆー事なの?説明して」

恵は急に理解した様な僕の声を聞いたせいか?僕に問い詰める。

ーー一体何があったのか?と。


僕はこれまでの経緯を母に話した。

東京拘置所に行き、中山兼に会いに言った時、すでに面会客がいて、それが沢田昌平だった事。

二人が話していた内容をーー。

「えっ?じゃ、、」

「多分、父さんは事件の現場を目撃しちゃったんだ。それで証拠を持ってたから、殺された。ーーそんなところだろう。」

大きく深呼吸する。

「直接、手を下したのは、、あの四人の中の誰かじゃない。あの四人がグルになって、父さんを殺したんだ」

「そんなーー?」

母がよろめく。

そのまま母は座り込んだ。


「ーーあの人が殺された?」

信じられない思いで一杯だった。


「ーー母さん、僕は間違ってたのかも知れない。ただ真実を知りたいと思って、調べ始めた。でも、殺人だった。それなら僕はどーしたらいーのか?わからない」


僕には涙が流れた。


「すべてはあの証拠を調べてもらってからだ」

その結果次第で、僕がどうするか?考えても遅くはない。


恵は例の警察官の友人に、灰皿を預けてくれているらしい。

指紋と血痕の有無を調べてほしいと言った。


それから丸一日が経過して、恵のケータイが鳴った。

恵はすぐさま、電話を僕に渡す。


「簡潔に言いますと、この灰皿には6名の指紋とAB型の血痕が見つかりました」

その報告を聞いて、ーーやっぱり、と思った。

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