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ある日、父が死んだ  作者: みゆたろ
14/39

5-8

しかし、藤田しげるの時の様に、電話は来なかった。

彼は一体どーいう人物なのだろうか?


忙しいのか。

忙しいのだとしたら、大手企業の社長とかかも知れない。それならネットで出るだろう。

僕はネットで中山兼と言う名前を調べた。


「ーーなんだ?これ?」

僕は驚いた。


ネットで引っ掛かった中山兼。

それは「容疑者」という言葉がついていた。


ーー中山兼容疑者。

強盗殺人事件の犯人として逮捕された中山兼容疑者は、容疑の一部を否認しています。


これはニュース番組だ。

僕が会いたい中山兼はこの人物だろうか?


同姓同名かも知れないが、中山兼容疑者と言う人物に会ってみようと思った。


翌日。

少し離れてはいるが、彼が収用されているらしい拘置所に行ってみる事にした。


東京拘置所に着くと13時を回っていた。


「すいません。中山兼さんに面会なんですが、、」


カチカチに緊張した面持ちをしているだろう僕の姿が不意に思い浮かんだ。

受け付けしている警察官は言った。


「どのようなご関係ですか?」


「中山さんは父の友人だった様ですので、父が亡くなった事を伝えにきました」


「あなたの名前は?」


「斎藤健吾の息子で秀二と言います」


「ご本人に確認してきますので、お待ちください」


そう言って受付の人は走っていった。

数分後。

彼は戻ってきて僕に言った。


「中山兼容疑者は、あなたに会いたくないと言っています。ーーまた日を改めて下さい」と。


ーー後、1人。彼だけなのにーー僕の捜査は止まってしまった。


肩を落とし、僕はトボトボと拘置所を跡にする。


家に帰ると、僕は恵に話をした。


今日会いに行った中山兼と言う男に面会を拒絶されたこと。

そして、彼は強盗殺人の罪で拘置所にいること。

僕の中では彼が一番の容疑者であること。

もう僕の調べがこれ以上進まない可能性が高いことーー。


母は優しく僕の肩に手を添える。


「ーーよく頑張ったわね。今度は私が行くわ」

恵がそう言った。

「じゃ一緒にーー」

「大丈夫よ、警官がいっぱいいるんだから」

しばらく考えた後、秀二は頭を下げた。

「お願いします」

「それでいつもは何を聞いてるの?」

「父がなくなった事を伝えてから、四人の名前が書かれたメモを見せて、これをどう思うか?そして、ぶっちゃけて父を殺したか?って聞きます。後は母さんの聞きたい事を聞いて下さい」

「わかったわ。あなたは日記を調べといて」

「はい」


母は出かけた。

最後の人物に会うために。



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