表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ある日、父が死んだ  作者: みゆたろ
11/39

5-5

「僕もまだ信じられませんが、事実です」

しばらくの重い沈黙が流れた。

「先日、父の遺品を整理してたら、こんなものを見つけたんです」

「ーーこれは?」

彼に封筒と四人の名前が記されただけのメモを渡した。

中身を抜き出すと、彼はマジマジとそれを見つめて、僕に言った。

「ーーこれ、健吾とトラブルを起こしているやつばっかだ」

「トラブル?ーーあなたも?」

「そうだ。昔、俺と健吾は一人の女を取り合っちまった事があるんだ。俺は対したトラブルではないと思ってるけどな」

「そうなんですか?」

「健吾は気にしていたみたいだけどな」

「他の3人はどんなトラブルだったんですか?」

「ーー俺から聞いたって言わないでくれよ?」

「はい。約束します」

「太郎は昔から金銭感覚がないやつで、詳しくはわからないが金銭面でのトラブルがあったようだ」


ーー太郎。金銭トラブル。

ーー昌司。女関係のトラブルか。


「藤田しげるーー彼は近所に住んでいて、彼の買っている犬に噛まれた事があると、健吾が話していた。しかし、慰謝料は払ってもらっていない、とーー」


ーーしげるは近所トラブル。


「最後に、中山兼(けん)。ーー彼の運転する車に健吾が引っかけられた事があるらしい。それがきっかけで、健吾は足を引きずる事になってしまったのだとか?随分昔の事だと話していたがーー」


ーー兼は事故か。

他の3人よりもトラブルの度合いが大きく感じた。


「最後に一つ、いいですか?」


「なんだ?」


「ぶっちゃけて聞きます。ーーあなたは父を殺しましたか?」


彼は突然、笑いだした。


「何をバカな事を言っているんだ?俺が殺す訳がない」


昌平はキッパリと断言する。


「ありがとうございます。また電話するかも知れませんが、今後ともお願いします」


「待ってるよ」


そう言って、昌平と別れた。

彼の言うトラブルが、当たってるのかどーかは不確かだが、これから会っていくうちに分かるだろう。

僕は残りの二人からどんな情報を得られるだろうか。


彼と別れてすぐ僕は父のケータイで、もう一件電話をした。

「藤田しげる」

今度は彼に会う為にーー。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ