表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

不思議怪談奇譚

作者: 瀬川なつこ

悲し気な亡霊の話を聞いて

雪山に閉じ込められた哀れな兵士たち

足音だけが聞こえる

お坊様の殊勝なこと

新年だから、

今年も怖い話をしよう

狐のお面と鬼のお面があったら、にらめっこ。

あっぷっぷ。

人の知らないところで、喧嘩してお面同士がかつんかつんいいながら打ち合っている。

トイレの花子さんは、いじめられっ子にしか見えない。

いじめられっ子が一人で泣いていると赤い花を差し出して、トイレへ誘い、そのままあの世へ連れてゆく。


夕暮れとばり。

あの子からもらった他向けの鬼百合の花を、学校の机の上に飾ってみました。

黒髪を救って遊ぶ遊び。

紅い靴をそろえて交差点の手前に置く遊び。

あやとりで、相手の首を絞める遊び。

誰が殺した駒鳥。


想い出花火。

貴方は、泣いている私を抱きしめてくれましたね。

一緒に掬った金魚は、だいぶ大きくなりました。

携えた提灯を海に流す頃、貴方の魂は、無事に常世へたどり着いたでしょうか?

お盆の頃になると、貴方を想って迎え火を焚きます。


年末に、御経を読んでもらう。

そのときに、他のお客様から、「たましいの話をしてほしい」と言われるんですよ、と袈裟を着たお坊様

八甲田山の雪中行軍の怪談をし始める。

210名中199名が死亡

死してもなお、生きている亡霊は、供養のために雪山へ立ち寄った上官の前で、雪の中行進しているという


上官は、雪の中、ざっざっと行進の音のする方角に向かって

「君たちはもう死んでいる。安心して往生したまえ」と命令を下す。

すると、雪の中の足音は、突然回れ右をして、雪山のなかに消えていったらしい。

そして、二度と現れなかった。

そういう、哀しいお話


枯れた花がお地蔵様に添えられている。

この苔取るべからずと立て看板のしてあるお寺

盆暮れ正月、師走に裾をからげて走り回るお坊様

墓場に彷徨える亡霊、火の玉

夏花火に、かき氷を喰うお坊様

オバケが出て、言葉巧みに豆大福に姿を変えた鬼を

頭からむしゃむしゃ食べる和尚様

天晴。あっぱれ。


宿場町にて、袖引き小僧が現れる。

どこからか、人魂が現れて、闇の中を踊っている。

きしきし…

家の軋みか、幽霊の呪いか

ちょうつがいきしきし

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 前に聞いた話を思い出した。とある時、とある古株のサラリーマンが、演台に立って叫んだとか。 「皆さん!魂の話をしましょう。我々は余りにも、魂について語って来なかった──」 そのまま息を引き取…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ