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シャカムニの使者☆にゅうめんマン  作者: 奥戸ぱす彦
10章 乙女の帰還
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乙女の帰還(4)

「でも、それくらいで攻撃を防ぎ切ったと思うなよ。まだまだいくぜ。新必殺技のローリングアタックだ!」

 にゅうめんマンは高らかに宣言し、体を小さく丸めて高速回転しながら管長に飛びかかった。管長はよけた。にゅうめんマンは屋上のへりを飛び越え、ど派手な水しぶきを上げて中庭の池に墜落した。水に落ちたからよかったものの、それでもかなりの衝撃を受けた。一方、池を掃除していた宗教法人六地蔵の水中部隊は、ださい服を着た男が突然空から降ってきたので度肝を抜かれた。


「ぷはぁ」

 水中部隊が呆然としている間に、にゅうめんマンはどうにか水の上に顔を出した。すると、そこにいた数名の部隊員と目があった。

「空から我が部隊を奇襲するとは太い奴だ!くせ者め、これでもくらえ。シンクロナイズド・スイミング・キック!」

 隊員たちは完璧にシンクロした華麗な動きでにゅうめんマンに蹴りを入れた。にゅうめんマンは蹴られて怒った。

「市民の生活を守るために敵と戦って池に落ちたヒーローを足蹴にするとは何て奴らだ!」

 にゅうめんマンは、水上に出ていた部隊員たちの頭をぼかぼか叩いて反撃した。

「痛い!市民ために戦っているヒーローが、市民の頭をぼこぼこ叩くんじゃない!もぐら叩きじゃねえんだぞ!」


そこで部隊の1人がにゅうめんマンの正体に気づいた。

「誰かと思ったら、この間うちに来て大暴れしたにゅうめんマンじゃないか。あの時は、お前のせいで我が部隊と他の坊主との間で内輪もめになって大変だったぞ」

「そう言えば内輪もめしていたな。その後どうなったんだ」

「激しい戦いだったが、放水ポンプを使ってずぶぬれにしてやったら、奴らは勝ち目がないことを悟って降参したよ」

「うそくさい話だな。――ともかく、俺はいつまでも池で遊んでいる暇はないから、ここらで失礼するよ」


にゅうめんマンは、わあわあ騒ぐ水中部隊を捨て置いて中庭の池を脱出し、建物に入り、びしょびしょの状態で廊下と階段を駆け抜けて屋上に復帰した。そこで待っていた管長に、にゅうめんマンは言った。

「さすがだな管長。屋上という特殊な地形を利用し、敵の動きを誘導して建物から落下させるテクニック。恐れ入ったよ。下に池がなければ危なかったかもしれない」

「私は攻撃をよけただけだが」

「そうか。まあ何だっていいさ――次は確実に当ててやるぞ!」


そう言うやいなや、にゅうめんマンは次なる攻撃を繰り出そうとしたが、それよりも一瞬早く、管長がハイキックを放った。

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