表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シャカムニの使者☆にゅうめんマン  作者: 奥戸ぱす彦
8章 にゅうめん乱用防止キャンペーン
77/104

にゅうめん乱用防止キャンペーン(9)

《何だ今のは》

 正体不明の衝撃にさらされて、今度はにゅうめんマンがひるむ番だった。だが戦っている最中に気を抜いてはならない。ホーネットは、にゅうめんマンが当惑している一瞬の隙に間合いを詰め、目にも止まらぬ警棒の一撃を放った。すんでのところで、にゅうめんマンは後ろに身を引いたが、ホーネットの振り下ろす警棒の先が腕をかすった。服のそでが破れ、新しくできた傷口から小さく血が流れた。


だが、傷のことなど気にかけている余裕はない。次の瞬間にはもう、ホーネットはにゅうめんマンの方へ飛びかかって新たな攻撃を仕かけた。幸いにゅうめんマンはこれを完全にかわすことができたが、ホーネットは、相手に息をつくいとまも与えない猛烈な連続攻撃を浴びせた。


敵の攻撃がしゃれにならないほど激しいので、いっそ観客たちの中に逃げ込もうかとにゅうめんマンは考えたが、その時また1つのアイデアが頭に浮かんだ。それで客席に逃げるのはやめて、ステージの床に落ちていたマイクを再び拾い上げた。さっきと同じ手は通用しないだろう。もちろん、それは分かっている。にゅうめんマンは敵の攻撃を避けつつ、折を見て、今度はそのマイクをホーネットに投げつけた。


敵もさる者で、ホーネットは素早く警棒を振るい、投げつけられたマイクを眼の前で打ち落とした。だがそれも、にゅうめんマンの想定の内だったのだ。逃げ回るふりをして、自分が先ほど脱ぎ捨てたジャケットの間近に位置取っていたにゅうめんマンは、それをさっと拾い上げ、マイクを打ち落とした直後のホーネットの意表をつき、相手の顔を目がけて投げつけた。ホーネットはこのジャケットも警棒ではたき落としたが、一瞬視界がさえぎられた。にゅうめんマンはその隙に、電光石火の早業で敵に接近して足払いをかけた。


ホーネットは足払いをかわせず木製の床の上に転倒した。転んだ敵の手が床に触れるやいなや、にゅうめんマンは、ホーネットが握る警棒を、靴をはいた足で蹴飛ばした。警棒はホーネットの手を離れて舞台上を横の方へ滑って行ったので、にゅうめんマンは抜かりなくそれを追いかけ、ついに敵の得物を奪い取った。


「やったぞ!」

 とっさに考えた作戦が見事成功し、にゅうめんマンの意気は高まった。だが世の中はいつも思い通りにはいかない。ホーネットから武器を取り上げた手際は見事だったが、にゅうめんマンの想定外だったのは、ホーネットが予備の警棒を衣服の下に隠し持っていたことだ。何ともおもしろくない用心の良さである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ