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シャカムニの使者☆にゅうめんマン  作者: 奥戸ぱす彦
7章 にゅうめんマン、悪の教団に乗り込む
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にゅうめんマン、悪の教団に乗り込む(17)

言うが早いか、六地蔵ファイブ1号は眉間みけんに2本の指を当て、技を放つための独特のポーズを取った。

「時間光殺砲!!!」

 1号は自分の周囲の時間の流れを遅らせると同時に眉間から指を離し、その指先からまばゆい光線を放った。

「なにぃ!」

 意外と本格的な技が飛んで来たのでにゅうめんマンは驚いた。光線の威力は大したことなかったが、胸にそれを受けて一瞬ひるんだ。その隙を六地蔵ファイブ2号は見逃さなかった。


「今だ!みかん光殺砲!!!」

 2号はふところから素早くみかんを取り出して指で押しつぶし、にゅうめんマンにみかん汁をかけた。その汁は、にゅうめんマンが火傷していた部位にかかったせいで、すごくしみて痛かった。

「ぐああぁ!」

 強烈な痛みに、にゅうめんマンは苦悶くもんの声を上げた。


2号とほぼ同時に、3号も魔貫光殺砲の応用技を放った。

「これでもくらえ!やかん光殺砲!!!」

 3号は、あらかじめ用意しておいたやかんの湯をにゅうめんマンにぶっかけた。これは普通に受けても熱い上に、みかん汁以上に火傷にしみた。

「ぐあああぁぁぁぁ!!」


4号もダメ押しで、自ら編み出した技を繰り出した。

「とどめだ!左官光殺砲!!!」

 4号は、左官屋がコンクリート壁をならしたりするときに使う左官ごてを思い切りにゅうめんマンに投げ付けた。これもやはり火傷していた部位に当たり、すごく痛かった。


六地蔵ファイブの猛攻に耐えかねたにゅうめんマンは、傷の痛みを和らげるため、中庭へ飛び出して再び池に飛び込んだ。傷はまだずきずき痛んだが、水に浸したおかげで耐えられないほどではなくなった。

「次々にわけの分からん技を仕掛けてきてからに。『時間光殺砲』はともかく、他の3人は何を考えてるんだ……」


池にはまだ水中部隊が残っていたが、他の坊主たちとの内輪もめに忙しく、今回はにゅうめんマンを水中に引きずり込んだりしなかった。にゅうめんマンはすぐに池から上がり、中庭で騒いでいる連中を尻目に、六地蔵ファイブが待つ管長室前へと舞い戻った。


「あれほどのダメージを受けて再びここへ戻って来るとは。度胸だけは褒めてやろう」

 六地蔵ファイブ4号が言った。

「俺は市民の平和を守るためにシャカムニから聖なる力を受けているんだ。柑橘類かんきつるいや調理器具くらいで、このにゅうめんマンを倒せると思ったら大間違いだぞ」

 にゅうめんマンは言い返した。

「みかん汁にも耐えられないくせに口だけは達者じゃないか。また同じ目に合うがいい!」


1号はそう言って、またしても眉間に2本の指を当てた。だが、にゅうめんマンは1号が時間光殺砲を放ついとまを与えなかった。

「させるか!必殺、猛牛ラリアーーット!!」


にゅうめんマンは右腕を広げつつ超人的な加速で突進して六地蔵ファイブ1号をなぎ倒し、その勢いに乗って、他の3人もボーリングのピンのごとくメチャメチャに弾き倒した。手加減して攻撃したものの、攻撃を受けた坊主たちは廊下に倒れて言葉もなく横たわり、それ以上戦い続けることはできなかった。

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