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シャカムニの使者☆にゅうめんマン  作者: 奥戸ぱす彦
7章 にゅうめんマン、悪の教団に乗り込む
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にゅうめんマン、悪の教団に乗り込む(13)

そうしてダイバー男と話している間にも、にゅうめんマンを追う坊主たちが続々と中庭に集まり、襲いかかる隙をうかがっていた。これ以上オリンピックにまつわる心温まる会話を続けることを、にゅうめんマンはあきらめなければなからなかった。


「不法侵入者め、覚悟!」

 様子をうかがっていた坊主Aが、ついににゅうめんマンに殴りかかった。

「何の」

 にゅうめんマンは華麗にこの攻撃をかわし、坊主を手のひらで突き飛ばして池に落とした。その瞬間、隙ありと見て今度は坊主Bがにゅうめんマンに殴りかかった。

「これでもくらえ!」

「そんな遅いパンチ、子供だってくらうものか」

 にゅうめんマンは坊主Bの拳を正面から受け止め、そのままこの手をつかんで、後ろへ投げ飛ばした。坊主Bは大きな水しぶきを上げて池に落下した。

「これならどうかな!」


だが、仲間がやすやすとやられる様子を見ても坊主たちはひるまなかった。水しぶきが収まる暇もあればこそ、武道の心得のある坊主Cが、池を背後に戦っているにゅうめんマンに間髪を入れず飛び蹴りを打ち込んだ。にゅうめんマンが横へ飛びのいてかわすと坊主Cは勢い余って自ら池に落ちた。


にゅうめんマンは迫り来る坊主たちを次々にやっつけ、気の赴くままに池へ突き落とした。これに迷惑したのは宗教法人六地蔵の水中部隊だ。

「こら。坊主をポンポン池に投げ込むんじゃない。トレビの泉じゃないんだぞ!せっかく掃除したのに池が汚れるだろ!」

 池の中から水中部隊の1人が顔を出してどなった。すると今度は、にゅうめんマンと戦っていた坊主たちが気を悪くした。


「池が汚れるだってよ。侵入者から六地蔵を守るために(建前)体を張って戦ってるのに、ひどい言われようじゃないか」

「これだから水中部隊は。やっぱり空中部隊でなきゃダメだな」

 これを聞いた水中部隊が言い返した。

「何の部隊にも入っていない平坊主よりは俺たちの方がましだ」

「水中部隊だって池の掃除をするだけの部隊じゃないか。そんな部隊なら入らない方がよっぽどいい」

「なにぃ」


部隊を侮辱された隊員が怒って、池に生えていた藻を坊主に投げ付けた。坊主は地面に落ちていた小石を投げ返した。こうして、水中部隊と他の坊主たちによる仲間割れが始まった。人数では圧倒的に水中部隊が不利だったが、水の中にいる限り他の坊主からは手が出しにくく、思いの外いい勝負になった。

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