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天使が生まれた日

作者: 敷居麻衣

息抜きに書いた作品なので段取り等が謎なのは目を瞑ってください。

偶には一息ついて家族の愛おしさ、美しさ、尊さのその奥に触れる作品を作りたいなと思い

書いてみたらなんとも不思議な作品に仕上がりました。

sfとよりかは現実味が多いので感情移入して読み進め易いかなと書きながら勝手に思って居ました。

「今年は雪、降らないんだね。」

そう呟き窓の外を眺める。今年は寂しいことに雪は降ることも無くだだ意味の無い寒さが冬を物語る。

外は憎いくらいの晴天でして雪が降る気配はちっともしないのがまた恨めしい。

別に雪が好きな訳では無くて、どちらかと言うと雪よりも雨の方が好きだ。

雪なんか解けて固まったら厄介でしかないし。

それでも降って欲しいと願うのは、幼いころお祖母さんがコッソリ私に教えてくれたおまじないが関係しているからだろう。

「お聞きなさい、あのね、雪には不思議な力があるのよ。あなたの願いをなんでも叶えてくれるの。」

脳裏に思い浮かぶお祖母さんは至って真剣な顔で続けるの。

「私はね、この目で見たのさ奇跡が訪れる瞬間をね。あなたも大人になったら見えるわ。きっと。」

その話をするお祖母さんはすごく幸せそうで。

だから毎年雪が降る外を眺めていた、奇跡が訪れる瞬間を見たいって。

残念ながら見ることなくこの歳を迎えたのだけれども。

窓際にずっと居たせいか肌寒く感じて外を横目に離れ母が座るソファーに身体を預ける。

「今年も見れそうにないなぁ。いつになったら見れるんだろう。」

幼い頃見たあのすごく幸せそうなお祖母さん、あなたは一体何を見て何に幸福を感じているの?

お祖母さんが願ったものと同じものではなくても私もきっと幸せを噛み締めることができるのだろうか。

そう一人物思いに更けていると、母が微笑ましそうに私を見ていることに気づいた。

「ちょっと、お母さんあんまりじっくり私を見ないでよ。どうしたのよ。急に。」

少し気恥ずかしさを感じ食って掛かってやるって勢いで質問する。

心なしか母の目はいつも以上に優しい気がした。

「ふふ。お義母さんから聞いたのね。」

頷く暇もなく、母はこんな話をしてくれた。

「お母さんね、実は嫁いだ当初はお義母さんと余り仲が宜しくなかったのよ。

何をするにも怒られてばかりでお義母さんのこと私は好きになれなかったの。

でも、そんな時あなたが来てくれたのよ。

その冬は特に冷え込んでいて、お母さんは外で洗濯物を取り込んでいたのよ。

お昼から雪がちらほら降っていて濡れてしまっては大変だもの。

布団やらなにやら取り込んでる最中にお腹が痛んでね。

次目が覚めたのは病院のベットの上だったわ。」

初めて聞かされる私が生まれる時の話、母は愛おしそうに目を細めて一息ついては私を見つめる。

「予定日よりもだいぶ早くあなたに会えますよって、お医者さんから聞いた時少し不安を感じたわ。

でも嬉しかった、あなたに会えるのが物凄くお母さんは楽しみだったから。

でも、そこからが戦いだったの。陣痛が来たとき、あなたに会える喜びと痛みへの恐怖涙が止まらなかった。そんな時にあなたのお父さんが頑張ってくれたの。一緒に泣いてくれたの。

そして生まれてきてくれたあなた、普通よりも小さいけど私の大切な子。子のこのために、お母さん強くなろうと思ったの。全てから守れるほど強くは無いけど、あなたを包む母になりたいって。

病室に戻った時、お義母さんが泣いていたのよ。ありがとうって、あんな気難しいお義母さんが泣いて優しく微笑んでいたの。」

そういって、少し目じりに滲む涙を拭い少し照れ臭そうに微笑みながら呟く

「あれ以来、お義母さんはその日があった冬の日を奇跡を見た季節と言うのよ。

病室から見た雪が綺麗な日にあなたに会ったから雪の魔法とか。」

ツンと鼻奥が痛み、目を瞑る。

だから、大人になったらとかあんな幸せそうに話すのだろう。

母親の偉大さを改めて実感して本当に敵わないなと目をそらした目線の先は窓の外

「あ、お母さん。雪。」

パラパラ降る雪、私の生まれた日もこんな雪だったのだろうか。

「ふふ、あなたはいつ私に孫の顔を見せてくれるのかしら。」

「うるさいわね。」

むすっとした顔で答えたけど、いつかはあなたみたいに優しくて強い人になりたいと思って居るのよ。

心の中で密かに微笑み雪を見て微笑むお母さんの横顔を目の奥に焼き付けるように見つめた。

素敵な出会いがあなたにもありますように。

出会いって、必然的に出会う場合と偶然出会う場合がありますよね。

私どちらも運命と呼んでもいいと思ってるんです。

私が運命と思っているうちは運命なのだからって楽観的に物事を考えてしまうんですよね。

暗い作品が多い割には大雑把で楽観的な自分なので読み返すたびに首を傾げています。

なかなか理想の作品が書けないんですよね、だから飽きずにずっと書き続けるのかも。

余談ばかりですみません、また別の作品でもお会いできるのを楽しみにしております。

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