7、魔女は白雪姫を見つけた
浮かれて惚ける彼を尻目に私は王城の中を歩いた。
来た道を外れると内装が壊れている部分があり、先の内乱が酷かった事がわかる。
それにしてもよくぽっと出の彼が数年かけたとはいえ1国を取れたものである。
ここまで疲弊しているから少人数でも落とすことができたのかもしれない。
どうしたら元は立派だったはずの王城がこうなるのだろう?
掃除などの手が行き渡っていない。昔は立派だっただろう石の欄干も埃をかぶり汚れている。
戦乱であれば破損した物が目立つだろう。
この荒廃は不思議なほど壊れた物が見当たらない。
ただ掃除をする人がいなくなったような感じ。
窓から見える風景もおかしい。
元はきれいな庭園だったのだろうが、木は伸びた枝が目立ち、草は乱雑に茂っている。
王城が廃城のような有様だ。城下はまだ普通だったのに。
王城だけがボロボロになっている。
この状況が何故許されているのだろう?
貴族などは何をしていたのだろう?
もしかして貴族もおかしくなった?
これが呪いの影響なのだろうか?
だがこの程度なら世界が壊れるとは思えない。
原初の世界に戻るだけだろう。
だが初代様は世界が壊れると言った。
この呪いはどんな効果なのかわからない。
さっさと片付けないとダメ。
「マルガレータ嬢。あなたの瞳はとても美しい。それはさながら我が屋敷のサフェーニ湖の様。そこはとても澄んだ湖で夏は私も泳ぎに行くのですが、その
長いわ。相手の女の子も苦笑……いえ、あれは意味が分からないけどとりあえずにこやかに笑っておけばいいかって顔をしているわ。
……あの子が呪いの根源ね。
あの子自身はいい子っぽいけど、呪いの依代にされているわ。
存在自体が呪いで出来ているって何よ、あれ。
物を消せばお終いじゃないのが難点だけれど、壊れにくい物が呪いにされるよりもマシか。
殺せば終わるもの。