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9、魔女は猟師の失敗を知った
「起きたか。これが証拠だ」
おじさんが私に1言告げると小ツボを机に置いた。
小ツボを開けると保存のためか塩に塗れた赤黒い臓器が見えた。
「確かに確認しました」
私がそう言うとおじさんは屋敷からそそくさと出ていった。
仕事人という感じでとても好ましく思えた。
これでもう緊急ミッションは完了だろう。
これで一安心と思っていると初代様は言った。
「呪いは森の深くに場所を移しました」
おじさんの持ってきた小ツボを見た。
何故? どうして? これは何?
「小ツボに入っているのはイノシシのレバーです。
丁寧な処理をされているので美味しく食べられるでしょう」
……。
そっか。
私は小ツボに入っていたイノシシのレバーを口に入れその塩っぱさを感じた。
「私がやらないとダメなんだね」
口に残った痛いくらいの塩気が辛かった。




