全敗!!
男→安藤昌は仰向けていた。
「彼女なし歴→年齢のオレが異世界へとばされモテモテだと思ったが…
むしろ生きるのが難しくなってる」
男はため息をして空を見上げてる。曇っている空を。
いつも間にか周りは獣の群れだらけ。
「オレの人生てなんだろうか。
少し希望が見えてきたと思ったら奈落へ突き落す。
神はいないのか!」
…何も言えない。神→筆者。
獣の群れが襲い掛かろうとした時、一条の光の矢が獣たちをなぎ倒していく。
男には一つも傷がない。
「大丈夫ですか?」
光がなくなると同時に一人の青年が駆けつけてきた。
「誰?」
男は弱弱しい声で青年へ発する。
「僕はこの世界の勇者です。
別の世界から召喚されて来ました」
「!?」
男はびっくりして跳ね起きて青年をまじまじと見つめていた。
「オレも別の世界から来たんだけどチートな能力ないんだけど」
「僕も最初はそんな感じでしたよ。
レベル上げしてようやく戦えるようになったんです。
本当におかしな世界ですね。
魔獣討伐のためレベル上げしないと戦いにならないなんて笑っちゃいますね」
青年→勇者はハニカミで笑顔で振る舞っていた。
俗にいうかわいい系の男性である。
「不平等だ!
オレはこんな残念な感じなのにお前はなんだ!
その防具は!」
青年を見ると白いマントに腰には剣、肩にはショルダーガードを装備していた。
「これですか?
ははは、バイトしてお金を貯めて買ったんですよ。
何でも勇者は人を守るのは当たり前であり誰かを救ったり建物を守っても懸賞金でないらしいです。
笑っちゃいますよね」
「なんだそれ
めっちゃ過酷じゃん。
そんなのやめればいいだけの話だろ」
男は獣の死体に向かって石を蹴りながら話す。
「それもそうはいけないじゃないですか。
ここまでの道のり、いろんな方にお世話になったのでせめての恩返しなのですよ」
「そんなもの自分が大事だから無理にしてまでやっても仕方ないだろ。
死んだらおしまいなのだから」
青年は腕を組んでうんうんと頷きながら男の話を聞く。
「確かにそれは一理ありますね」
「だろ?
やめやめだ!」
「でも、それでいいのでしょうか?
常に逃げの人生、自分を成長せずただ生きているだけそれで納得します?
自分の心が。全敗の人生。心が枯れてきませんか?」
「うっ!!」
青年はまっすぐ男の目を見て続ける。