目覚めた先は
男→安藤昌は目を覚めた。
古い建物だろうかくたびれた天井が見える。
「ここ、どこだろう」
ふと、独り言を言ってみた。
「あっ、おじさんが目を覚めた!!」
一人の少女が男の顔を覗き込んでくる。
幼く髪を後ろに束にまとめている。
将来有望になる美人になる少女がいた。
「えっと…」
いきなりのことで男は喉を詰まらせるような声を発する。
「あたしはミオ
後ろにいるじっちゃんはガマじぃ ていうんだ!!」
なにも聞いてもいないのに次々と言葉を並べるミオ。
「どうしてあんなとこで倒れていたんだい?
魔獣にでも襲われいたのかい?」
次々と話を進める少女。男のダンマリを肯定と判断して会話を進めていく。
「魔獣が住む森をウロウロしてると自殺者だと思われても仕方がないと思うよ!!」
なんでも男が走っていた場所は魔獣の森だそうだ。
よく冒険者や狩りでエルフが現れるが武器なしでこのあたりをうろつくのは何も希望もたない者のみ。
「なにかあったかしらないけどそんなに落ち込まなくても大丈夫だよ!!
生きてればいいこともあるよ!!」
「精神をつよくするためにはまず体をつよくなれ!!
一宿一飯の恩があるのじゃから薪わりぐらい手伝ってくれ」
奥のじいさんが背中ごしでそう言った。