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名前?

 陸稲の育ちは順調だ。思っていたような病気の類もない。まだ育ってからの病気もあるけど、世界が違うんだから、菌の類も違うと思う。


 とりあえず草むしりをして、お母さんの畑の方も眷族達に協力してもらってきれいにする。

 もう随分お腹の大きくなったお母さんには、無理はさせられない。構わずやってるけど。


 黄色に染まったトマトをもいで食べてみる。少し酸味の強いトマトは、採れたてもあってとても美味しい。


「草取りありがとうね、ルーナ。お腹が邪魔で手が出せないのよ」

 え、邪魔とか言っちゃうの?

「ところでさ、前に妹とか言ってたけど、分かるの?」

「んー?なんとなく?」

「え?なんとなくなの?」

「名前とかは考えているの?」

「私、考えるの苦手なのよね。ルーナの名前も、おばあ様につけてもらったのよ?そうだ!ルーナが考えてみない?」

「えー。私も名前考えるの苦手だよ?」

「従魔…じゃなくて眷族だっけ?みんな素敵な名前じゃない」

 いや、この世界は宝石はみんな輝石って呼ぶから。食べ物みたいにバッタもんの名前じゃないんだよね。

「それは…」

「ね?いいじゃない!ルーナならきっと素敵な名前を考えてくれるわ!」

「あんまり期待しないでよ。お父さんは考えてないの?」

「あの人だって、センスないわよ?アレックスは、昔の冒険者仲間の名前だもの」

 それは酷い。

「生まれてからでいいから、ね?」

 ね?とか言われても…。

「とりあえず考えてはおくよ」


 夜中、何故か呼ばれた気がして目が醒めた。

 んー?教会、かな?

 ドールを飛ばせて偵察に行かせると、子供を抱えた母親が、神に祈っていた。ドールを介して診察すると、子供が高熱を出したようだ。この人知ってる。駄菓子屋のお姉さんだ。

「神様、どうか息子を救って下さい」

 ドールを介してピュアとハイキュアをかけてみる。…やっぱり病気は治せないかな?一応癒しの聖域もかけてみる。

 やった!熱が下がったよ。息子の熱が下がったのを確認した母親も、ほっと一息つく。

「神様、ありがとうございます!今度お菓子をおまけしますので、是非来て下さい」

 は?神様にお菓子のおまけ?もしかして私に言ってる?

 まあ、行けば分かるか。寝よう。


 後日、お菓子を買いに行ったら、にっこり笑ったお姉さんが、私の大好きなグレプ味と、リンゴ味の飴を何も言わずに袋に入れてくれた。


 聖女像を女神像と勘違いしているのか、それとも私が女神だとばれているのかは分からないけど、私のした事だとばれたのは確からしい。


 まあいいや。募金箱に入るのは教会のものになるので、いつもはただでやっているけど、初めて報酬をもらった。しかも私の好きな物を知っていてくれたんだから、私的には満足。


 回復魔法で病気が治るのは、私の加護が病気に罹らなくなるからかな?自動回復の加護も私の領分になったので、お父さんたちには私の加護をこっそり付けた。

 ステータスボードを見ればバレるけど、悪い事をした訳じゃないし、いいよね?


 それにしても、ドールは便利だな。私の視覚と聴覚、しゃべる事も出来るから、電話代わりに使えるのももちろんだけど、ドールを介して魔法を使う事も出来るし、他の人の目に見えないようにする事も出来る。


 市販の服は羽根そのが邪魔でやっぱり着られなかったので、今はシルキー特製のワンピースを着ている。


 もう一体あったら便利なので作って父様に預けて二体同時に扱えるように訓練したら、並列思考が多重思考に進化した。

 お人形の為にスキルが進化するのもなんだけど、戦いにも有効活用できるからいいんだ。


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