エストール
エストールの国にも、ダンジョンがあるらしい。
鉱物が主なダンジョンだけど、珍しい植物もあるようだ。
この国の民族衣装だろうか?南国風の色彩と、大胆にカットされたワンピースは、この国の女性達が好んで着ているようだ。
〈あのデザインなら、ルーナちゃんも着られるんじゃない?〉
「子供用じゃないよ。コハクが着たいなら、お金払うからどうぞ?」
早速コハクは一枚手にとり、試着室に入っていった。
〈ふふん。どう?〉
うん。エロい。胸はないけど、しなやかな肢体がエロさを醸し出している。
「ね、見て、子供用のもあるみたいだよ?」
サファイアがどこからか見つけてきた。
「似合わないと思うけどなー」
コハクと同じく胸はないけど、私には女らしさが足りないのだ。羽根は出せそうだけど。
一応着替えて出てきたら、可愛いと褒められた。コハクの時はみんなスルーしてたのに。そして、店員さんも驚いている。今までは羽根はマントで隠れていたからなー。
「も…もしや聖女様ですか?」
「まあ、一応?」
他の人と反応が違うな。恐れている?
店内にいる他の客も、ひそひそと、何か話している。
「とりあえずこれ、買います」
よく分からないけど、コハクのと合わせて買った。
私はいつものワンピースに着替えたけど、コハクはそのまま着ていくようだ。これからダンジョン潜りたいんだけどな…。
まあ、ダンジョンに入れば元の姿に戻ればいいだけだけど。
鉱石には興味なかったけど、ミスリル鉱石と、少量のオリハルコンを見つけた。
そして25階層!カカオの実を見つけた!これでチョコレートが作れる!ココアも!
嬉々として採取する私をサポートするように、眷族達が魔物を狩ってくれる。
30階層のボスを倒して、アダマンタイトを見つけたので、少し採取しておいた。
満足して転送陣に入る。
地上へと戻った私達を待っていたのは、たくさんのエストールの兵士達だった。




