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船へ

 お母さんの具合も良くなってきたので、再び冒険の旅に出る事にした。今回の目的は、カレーの実だ。

 という訳で、やって来たのが港街エレイン。ここから船で、南に行くのだ。

 忙しそうに働いているリリーを見かけた。肩にはミミが乗っている。

 船乗りが気がついて、リリーに話す。

「ルーナ!驚いた。いつ来たの?」

「ついさっきだよ。今回はね、エストールの国に行きたいんだ」

 亜空間移動だから、本当についさっきなのだ。

「忙しい時にごめんね?」


「ああ、平気だよ。エストールか。モートン経由と、直接だと…五日後かな?」

「モートン経由だと?」

「明日の便があるね。モートンで二泊するから日数的にはあまり変わらないけど」

「経由で行った方がいいな」

 むしろゲートポイントを増やせる事が嬉しい。

「モートンまでが二日間、そこで二泊してそれから三日間でエストールに着くよ。直通だと四日間で行くんだけどね」

「いくら位かかるの?」

「そうだね…ルーナは風魔法を使えるから、割引があるよ。二人と、従魔は重さで」

〈私は…〉

「さすがに竜は乗せられないからね?」

〈ですよね〉

 オニキスは眷族だと言いたかったようだ。

「ヒスイも風魔法使えるんだけど」

「その小鳥?んー、後は日程短縮出来たらその分返金もあるよ。その前にどれ位扱えるかテスト受けてくれる?」


 マストの上にある見張り台から吹き流しに向けて風魔法を使うようだ。

 縄梯子を登れるかどうかもテストなんだろうけど、私には必要ない。

 飛んで登ったら、リリーに驚かれた。テストはもちろんヒスイも合格。


「凄いね、ルーナは飛べるんだ」

「そりゃ、羽根あるからね。魔法神様の加護も持っているから、魔力量も問題ないよ」

「そいつは心強い。なら、水魔法や氷魔法も使えるかい?」

 いつの間にかリリーの隣に立っていたちょいワルオヤジが聞いてくる。


「うん。それならサファイアが得意です」

「へえ、その犬っころが」

「雪狼だっけ?ルーナは従魔も凄いね」

「面白い。そいつが本当なら、船賃半額にしてやるよ」

「ああ、その価値はある。紹介しとくよ。こいつはロブ。このヤマト号の船長さ」

 ヤマト号って…沈んだりしないよね?

「よろしくお願いします」

「おう。こちらこそよろしくな」

 リリーの紹介で、三階部分の上客室を使わせて貰える事になった。

「帰りもあたしの名前を出せばサービスを受けられるようにしとくよ」

 ルーナはリリーに耳打ちする。

「内緒だけど、私、亜空間移動も使えるから、必要ないんだ」

「マジ?凄いね、ルーナは…でも聖女だからそれもアリなのかな」

「黙っててごめん。知れると戦争に利用されるのが嫌だから」

「言ったりしないよ」

 リリーはウインクして見せる。

 うん。リリーの事は私も信用しているよ。

「そういえばミミはどう?」

「私もやっと念話覚えたんだ。もう可愛くて、いつも一緒さ」

(神様、お久しぶりです。リリーの従魔にしてくれてありがとうございます)

(言葉も上手になったね。良かった)

「あれ?ミミと念話した?私、まだくっついていないと念話出来ないんだよね」

「慣れれば大丈夫だよ。パスがつながっているんだから」

 そういえば、ドールはお母さんに預けてきた。離れていても映像が見えるので、外国に行っても大丈夫だろう。電話代わりだ。

 お母さんも欲しがったけど、並列思考は持っていないみたいだから、扱いは難しいだろう。


「じゃあ、乗船の手続きをしようか」

 いよいよだな。カレーの実だけじゃなくて、色々あるといいな。


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