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眷族

 ふぁ~!よく寝た!

 あれ…何があったんだっけ?!そうだ、モモ!

「え…?モモ?」

 私にそっくりの、女?の子が、一緒のベットで寝ている。

「おはよ、うございます。主様」

「モモ!」

 ルーナはモモにぎゅっと抱きついた。

「良かった…!私、モモとお別れしたくなくて、何か色々頑張った気がする」

 主様が、私を解析している。つながりのある私達には、嫌な感じはない。

「眷族に、して頂いて、ありがとう、ございます。言葉、まだ難しい、です」

「大丈夫。けどちょっと言葉が固いかな?眷族は家族以上のつながりがあるんだから、もっと友達っぽく話して欲しいな」

「では、ルーナ、と」

「うん。敬語もなしで」

 まだ表情が硬い。これはしょうがないかな?

「ルーナ、三日寝てた。みんな、心配」

「えっ!そんなに?」

 亜空間から出ると、待ち構えていた従魔達が集まって来た。

(良かった。存在は感じられたけど、無事な姿が見られて)

(るー、起きたのー)

(本当に、どうなる事かと思ったわよ。ワタシ達がどれほど心配したか)

「ごめん、私にも良く分かっていないんだ」

〈主様!是非私も眷族に加えて下さい!〉

「えー?どうしてこうなったか良く分かっていないんだけど?それに眷族って私のピンチにはダメージを肩代わりしたりするみたい。私が死んだら一緒に死んじゃうんだよ?」

〈それでも、私は今までたくさんの人間を見てきましたが、主様のような尊い方はおりません。永くを生きるよりも、主様と共に在りたい〉

「んー…1回死んでみる?」

〈!いえ、それは…それしか方法がないなら〉

「冗談だよ」

〈ですよね〉

 オニキスは、何故にここまで私に心酔しているのかがよく分からない。

 お父さん達には、眷族になったら年齢表示が消えたから、モモがもう死ぬ事はないと伝えた。

 やはり従魔と眷族は一線を画するものらしくて、従魔が眷族化した例は、過去にも少ないらしい。

 そして、眷族化の恩恵が凄い。モモは私の魔力をパクれるようになったから、もう魔力切れの心配は要らないし、私もインパクトウイップと斬糸の発動条件が分かったから、何かに応用して使えそうだ。

 私は、収納庫とアイテムボックスの中身を入れ変えた。つながりが強くなったモモが、私のスキルの一部である収納庫と亜空間を利用出来るようになった為だ。

 モモが、魔力を吸い取る短剣を使いたいと言ったので、まずは人間の戦い方を教えるつもりだ。努力家のモモだから、きっと短剣スキルを取れるだろう。

 スライム化する事も出来るけど、羽根の部分が私と同じ鳥の羽根になった。私の羽根とは別物なので、しまっておく事も出来る。羨ましい。

 モモは女の子に見えるけど、実際性別はない。スライムはそういうものだけど、モモはもう細胞分裂することはないと言っていた。

 他の子達も眷族化を望んでいるけど、神様に聞いてみるしかないのかな?

(僕はルーナのお兄ちゃんだからね。兄が妹を守るのは当たり前だよね)

(ヒスイはそもそも精霊だよね?)

(わたちはるーのお陰で進化できたのー。世界樹の精霊はわたちの他にもいるのー。だからわたちが眷族になっても世界樹は困らないのー)

(ワタシの役目はルーナちゃんを守る事なの。眷族にして貰った方が、守れるはずよ)

 うーん。教会に行ってみようかな?


 治癒を願う人達にエリアキュアをかけて、神像の前に立つ。久しぶりの浮遊感。

「久しぶりじゃの、ルミナリア。いや、再生と転生の能力を持つ生命神と言った方が良いか」

「うえっ?!」

 うわぁ…見習い神から生命神に変わってるよ。いきなり酷い。

「酷いとは何じゃ。その力はルミナリアのものじゃ。幼き生命神ルミナリアの誕生じゃ」

 あうぅ…確かにその力を望んだのは私だしな…。

「それとな、ルミナリア。役職を持った今なら分かるじゃろうが、死んだ魂をすぐに転生させてはならんのじゃ。再生も、スライムだから許されたようなものじゃぞ。魂が体から離れんうちは許されるがの」

「はい。それで、私の従魔達を眷族化したいのですが、構いませんか?」

「構わんよ。あやつらは神の使いとなろう。転生の仕事は暇じゃから、丁度いいかもな」

「はい。ではまた」

「ルミナリア、地上で生活するのは構わんが、この世界は神が近い。そう長くはいられぬよ」


 ルーナは転生の間に入った。たくさんの魂が、河を流れている。前世風に言うなら三途の川かな。

 救えなかった欠けた魂を再生の器に入れて、網を通れない尖った魂を、研磨の器に入れる。

 緩い網を少しだけ狭めて、転生の間を出た。

 まだ神として知れていないルミナリアには、人々の願いや信仰は集まらない。できたての自分の像を何となく見つめて、今度こそ地上に降りた。

 

 従魔達を集めて、再び問う。

「私は神になった。もう一度聞くね?すごく長い時間を、私と共にいることになる。その覚悟はある?」

 否と答える者はいなかった。

「みんな、ありがとう。ずうっと一緒だよ!」

 何か大切なものを交換するような、不思議な感覚。

 サファイアが望んだのは、癒しと守り。


 サファイア(ー) 生命神ルミナリアの眷族

 癒神狼

 レベル133

 スキル

 水魔法 氷魔法 爪斬撃 噛み砕き 威圧

 回避 癒しの聖域 守護 気配感知 気配隠匿

 忍び足 瞬脚 縮地 咆哮 縮小化 人化

 暗視 念話 高速飛行


 生命神ルミナリアの加護


 サファイアは、やんちゃな少年て感じだ。髪が体毛と同じ銀色で、私の顔を参考にしたのか、良く似ている。ちょっぴり年上に見える所が兄弟っぽい。


 ヒスイが望んだのは、魔法の強化。


 ヒスイ(ー) 生命神ルミナリアの眷族

 聖霊神

 レベル111

 スキル

 全魔法適性 高速飛翔 応援 結界

 守護 回避 威圧 念話 嘴撃 気配感知

 気配隠匿 癒しの聖域 人化


 生命神ルミナリアの加護


 ヒスイは、妹みたい。頭の冠羽がそのまま残っていて、アホ毛っぽくて可愛い。


 

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