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ミノタウロスとの戦いと、ヒスイの進化

 時間が空くと私は、オニキスに戦いを教えてもらっている。

 今の私に一番足りないのは、リーチだ。それを補う為にめいっぱい速く動いて鞘付き双剣を振るうけど、木剣で軽く払われてしまう。

 その余裕の笑みを一度でも崩したくて、随分上達した身体強化も使うけど、全く敵う気がしない。

 その他にもオニキスは、人相手を想定した体術も教えてくれる。

 今までサファイアやコハクを相手にした、魔物相手とは全く違う戦い方に戸惑うけど、こういう戦い方も必要になるんだろうな。

 人間の弱点も、徹底的に教えてくれる。どこを狙えば動けなくなるとか、骨の砕き方とか。人間に興味があるのは本当なのだろう。実によく研究している。

 従魔に見えないオニキスは、整った顔立ちのせいで、女性にもてる。

 けれどそういう方面では興味はないようだ。主が一番です。なんて耳元でささやかれて、そういう方面に全く免疫のない私は、どう反応していいか分からない。

 他の従魔達がやきもちやくけど、私にどうしろと?

 引っ越しが始まった。と同時に屋敷の敷地内に兵士の詰め所も立てられた。この場所が街の守りの要になる事には変わりないのだ。

 大きな家を管理しなければいけないけど、家事のすべてはシルキーがやってくれるから、お母さんは広い庭の正面以外を畑にした。

 生まれ故郷の村はなくなってしまったけど、農業はやりたいんだろうな。

 私も採れたての野菜は大好きだから、畑は大歓迎。

 ギルドでミノタウロスの角の納品依頼が出ていた。ランクCの依頼だから、私も受けられる。

 オニキスのいた山で、飛んでいる時に姿を見たから、居場所は分かっている。ツノウシの上位種みたいな奴だ。

 飛んで行けば日帰りの約束も守れるし、受ける事にした。パーティー推奨の依頼だけど、私には従魔がいる。肉もおいしいと聞いて、俄然やる気が出た。


 山の麓まで飛んで行き、そこからは歩いて登る。登山は初めてで獣道しかないから、かなり辛い。下草で足元も見えないから、岩に躓いて転びそうになる。オニキスが手だけは貸してくれるので、摑まって魔物を警戒しながら進む。

 っと、いきなりランクCのソードタイガーが襲って来た。体をひねって躱し、すれ違いざまに首を落とす。そのまま収納庫にしまって、クリーンをかける。

「オニキス、ここって高ランクの魔物が多い?」

〈生憎と人間の付けるランクには興味ありませんが、魔素が高い山なので強い魔物が多く集まるでしょうね。私もここの魔素に惹かれて来た口ですので〉

 低いランクの魔物では、ここの生存競争に勝てないんだろうな。

(ルーナ、次が来るよ!)

 グリーンバイパーが木の上からこちらに首を伸ばしてひと呑みにしようと襲って来た。手早く武器を交換して、棒の先にダークソードを出す。顎の下から突き上げるように貫いて、絶命してから収納庫にしまう。

 訓練も兼ねているので、なるべく魔法無しで行こうと思ったのだ。従魔達も私の気持ちを分かっているので、危ない時以外は手を出さない。


 ご飯を食べる時だけ亜空間に入る。前に解体しておいたオークソルジャーの肉を、魔道具のコンロで焼いてオニキスとコハク、サファイアに出してあげる。

 私はシルキーが作ってくれたお弁当だ。野菜とハムのサンドはとても美味しかった。

 味見程度で食べたステーキも、普通のオーク肉より美味しかった。高ランクの魔物は美味しいのだろうか?食肉採取の依頼でも、ランクの高い魔物は高く買い取ってくれるから、そうなのかもしれない。

 ミノタウロスを狩るのが楽しみになってきた。


 襲って来る魔物を撃退しながら半日余り。やっとミノタウロスを発見した。結構数が多いので、みんなにも手伝ってもらいながら狩る。これって本当にランクCの冒険者用の依頼で良かったのかな?今まででも強い魔物は結構いたし。

 全部で30匹余りのミノタウロスを狩ると、やっと辺りが落ち着いた。さすがに疲れたので亜空間内で一休みした。

(るー、影に入れてー?進化しそうなのー)

 私の影の中は、私の魔力で満ちているらしく、居心地がいいようだ。確認していないけど、軽く100匹は超えていると思う。

 レベルアップのコールは切っているからどの位になったか分からないけど、相当上がったと思う。

 でも確認は後だ。今から山を降りなければならないから。

 体が怠くて眠いけど、頑張って山を降りる。と思ったら、オニキスが私を抱き上げた。

〈無理はいけません、主。今は眠って下さい〉

 お言葉に甘えて眠ったら、一瞬で上半身裸になったオニキスが、背からドラゴンの翼を出して飛んだ。

 街外れに降りて翼をしまい、コハクとサファイアも小さくなる。そのまま歩いて家まで戻った時には辺りが暗くなっていた。

 眠かった私は、そのままベッドへ。

 翌朝目を覚ましたら、右側にサファイア、コハクは私の肩の上、左側にはオニキスが寝ていた。モモが真っ先に起きて飛び跳ねながらみんなを起こしてくれる。

 みんなが私にくっついて眠る理由はなんとなく分かるけど、オニキスにはちゃんとベッドも部屋も用意してあげてるのに。

 これは大きなベッドを用意した方がいいかもしれない。今の私は小さいからいいけど、成長したら絶対に狭くなる。

 特に亜空間内のベッドはすぐにでも大きな物を用意しないと。戦ってる時はコハクもサファイアも大きいから、そのまま寝たらもふもふに圧死させられそうだ。

 ヒスイの進化が終わったようなので、影から出してあげた。

 緑なのは変わらないけど、姿はツグミに似ている。丸っこいフォルムが可愛いけど、ポケットはもう無理だろうな。冠羽が可愛い。


 ヒスイ(1)  主 ルミナリア

 世界樹の上位精霊

 レベル 80


 スキル 木魔法 風魔法 水魔法 土魔法

     高速飛翔 応援 守護 嘴撃 回避

     結界 念話 気配感知 気配隠蔽

     癒しの聖域


 うわ、レベルめいっぱい上がってる。


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