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ダンジョン

 初ダンジョン!中に入ると、ソルジャーラビットが襲って来た。

 ダンジョンは不思議で、倒しても死体が残らない。代わりにドロップアイテムが出て、倒すと皮、たまに肉が出てくる。要らない物は放っておけば、ダンジョンに吸収されてしまう。

 加護のお陰で大幅にアップした敏捷に体が追いついていないので、双剣をメインに戦う。余裕があったら空間指定をして、毒などの闇魔法を使う。

「ルーナ、急に動きが良くなっていない?」

「魔法が効きにくい魔物もいるから、剣も扱えるようになりたいと思って、頑張ったからかな?」

「うん…そういう事にしておこうかな」

 別に兄様になら教えてもいいかなって思うんだけどな。

 そういえば、同じ経験値を貰えるシステムは、私の加護はどうなるんだろう?獸魔達とも経験値シェアしているんだけど。今まで深く考えなかったけど、ちょっと気になる。まあ、確かめようがないんだけど。

 5階層に出てびっくりした。森になっていたからだ。

「ね、ここで採った薬草とかキノコはどうなるの?消えない?」

「消えないよ?ここのダンジョンはどうか知らないけど、鉱石や宝石が採掘出来るダンジョンもあるんだ。ダンジョンがある土地の領主は経済的に潤うけど、沢山の人が来るから、犯罪も起こりやすい。良し悪しだね」

 シメジに似たキノコは商店街で見かけたけど、ここで新たに椎茸と舞茸に似たキノコを見つけた。食用可としか分からないけど、味も同じだといいな。

「ここで採れるキノコなら町の店頭で買えるかもしれないよ?」

「あ、そういえばそっか」

「それに食い意地はって採取ばかりに夢中になっていると、襲われるぞ?」

「一応は警戒しているよ?」

 木を伝って来た蜘蛛の魔物に、ダークアローを当てる。落ちて来たのは何故かガラス瓶に入った毒薬。本当にダンジョンって不思議だよね。

「今日中に、もう少し進みましょう。10階層の中ボスの手前まで、出来れば」

「うん。お腹空いたから、そろそろお昼かな?」

「セーフティーエリアを探しましょう」

 6階層より下は、罠があるらしい。ミーシャさんはそういうのを見つけるのが得意だそうだ。

『スキル 罠感知を習得しました。直感スキルに統合されました』

 うん。そうなると思った。

「それにしてもダンジョンって凄いな。僕さ、殆ど戦闘に参加出来ないのに、能力が上がっていく感じがするのは、レベルアップしているからだよね?」

「そうだけど、少しレベルの上がり方がおかしい気がするな。私位のレベルでは、この程度の魔物では上がりにくいのだけど」

 兄様が首を傾げる。

「そうですね。私も70を越えているので上がらないはずですが」

「良く分からないけど、ラッキーだな」

「…気楽でいいな」

 もしかして私のせい、かな?私が止めをさしたのは経験値10倍になって、それがシェアされているのかも…みんなで強くなれるのは嬉しいけど、気付かれたくないな。なるべく補助に回ろう。


 その日、何とか9階層の転送陣を有効化して、地上に戻ったら夜だった。眠かった私は、夕ご飯を食べながら寝てしまい、気がついたら朝だった。

「ごめんね、ルーナ。強いからつい頼りにしちゃうけど、五歳の子に無理はさせられない。今日は私やミーシャがメインで戦うから、ルーナは魔法で援護して」

「ん。わかった。兄様達に任せる」

 これで兄様がレベルの上がり方がおかしくないと感じたら、私の仮説が正しいはずだけど。

 そういえば昨日、念願の収納庫の魔法を覚えた。時間も停止する魔法で、容量に制限はあるけど、術者の魔力量に準ずるので、沢山入るだろう。

 先に覚えた空間把握の魔法は、この収納庫の中身を把握する為の魔法で、これがあれば入れ忘れはないだろう。

 アイテムボックスとの違いは、出し入れに魔力が必要な事。アイテムボックスの中身はメニューで確認する事位かな。

 そんなに多く魔力が必要な訳じゃないからどっちを使ってもいいかな。ただ時空魔法を覚えるには普通ならもっと経験が必要だと思うから、暫くは黙っていた方がいいかな。

 9階層を抜け、10階層のボス、シャドウウルフを倒してドロップアイテムの毛皮を拾ったら、宝箱が出て来た。中身は片手剣で、魔力を込めて剣を振ると、ファイヤーボールが出てくる。所謂魔剣の類だけど、魔鉄製で重く、中級冒険者向きの剣らしい。

「これはアレックスの物でいいかな?」

 片手剣は、お兄ちゃんとバートの得物だ。

「私の剣は魔剣じゃないけどミスリル製だから、それでいいよ」

 バートは左手には小型の盾も装備している。攻撃を受けるというよりは流すやり方で、扱いも上手い。たまにお兄ちゃんに木の盾を装備させて教えている。案外面倒見がいいから、お兄ちゃんはバートの事好きだと思う。

 剣を貰えたお兄ちゃんはすごく喜んでいる。付与は付いていないみたいだから、後で付けてあげよう。

 まだお兄ちゃんには重そうだけど、あとは慣れだよね。私もやっと重い武器に慣れてきた。

 16階層の隠し部屋を見つけた。中には宝箱があって、罠もなさそう。開けたら小石が一つ。がっかりしたけど、ミスリルを含んでいるらしい。ただ、不純物も多そうだ。

「これはルーナにかな?練習位には使えるんじゃないか?」

 余計な事を言ったバートの足を踏んでやった。

「何の練習か分からないけど、くれるなら貰っとく」

 さっさとマジックバックに入れて歩き出した。


「多分、そろそろ夕方ですね。どうしますか?」

「うん。戻ろう」

 兄様は、私の顔を見て言った。

「どうして?私、平気だよ?」

「慌てても仕方ないと思ったんだよ。魔物も強くなってきているんだから、慎重になるべきだろう?明日は17階層から始めよう」

 私達は、転送陣の上に乗った。


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