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17―仕度は整った。目指すは地下迷宮


 キッチンを借りてロロアと二人で料理を作っていると、厨房の入り口に幼い女の子の姿が窺えた。

 じいさんの言っていたもう一組とは親子で宿に立ち寄ったのだろうか? どうやらこの子は料理の匂いに()られて寄ってきたようだ。


「こんばんわ」


 厨房で桶に入れた馬鈴薯を水洗いしているロロアが女の子に声をかけた。歳はロロアと同じぐらいだろうか。


「こんばんわ。何をつくってるの?」


 ワンピースを着た少女は厨房に入り、俺の作る料理に興味を持っているようだ。


「これは焼き鳥といって鶏肉とネギを交互に串に指して、塩と胡椒を振りかけ焼いただけだ。こっちのは胡椒で下味を付けて衣をまぶして油で揚げたチキンと、今から揚げるのはフライドポテトという揚げ芋だ」


 すでに木皿の上に盛り付けていた焼き鳥とフライドチキンを見ながら幼女が聞いてきたので、ロロアが水洗いした馬鈴薯をくし型に切りながら、そう言葉を返した。

 揚げたてのフライドポテトをチキンの隣に盛っていく。


「いい匂いだね」

「かじゃみのつくるごはんは、どれもおいしいの」


 まるで自分の事のように自慢気に語るロロア。


「作りすぎたし一緒にどうだ?」

「いいの?」

「いっしょにたべよ!」


 ロロアも歳の近い子と話すのが楽しいのか、自分から誘っている。できたての料理を一階フロアのテーブルに運ぶと、どこからともなくじいさんも顔を覗かせた。


「すごく良い香りがしたもんで、つい覗いてしまったわい。おや、ラミアもいたのかい」

「じいさんの子か?」


 ロロアもラミアも、揚げたチキンを頬張ってモゴモゴとなにか言っているが、なにをいっているのかさっぱりわからん。それにしても子供はすぐ仲良くなれるんだな。

 飲み込んでからしゃべりなさいと言ったほうがいいか迷ったが、二人は美味そうに食べてくれているし、大目にみてやるか。


「いやいや、この子は孫じゃよ」


 口の中のチキンを飲み込み、二人は「いっしょにたべよ」とじいさんを誘った。さっきからモゴモゴ言っていたのはその事だったのか。

 じいさんも「それじゃあご相伴に預かるかの」と言いながら厨房に姿を消し、すぐに戻ってきた。


「お前さんは、いける口かい?」


 そう言葉を口にしながらブドウ酒の入った酒瓶と、子供用に果実を絞った果汁瓶を携え空いていた席についた。

 転移した日にエールを一口呑んでからは一滴も酒を口にしていなかった俺は、ブドウ酒を見ると口元が緩んでしまった。


「ほっほっほ。人見知りのラミアが笑って過ごしているのに少し驚いたが、これは料理とその礼じゃ」


 串を握り焼き鳥を口に運んでいるラミアは、どうやらじいさんの孫のようでもう一組の宿泊客とは関係がなかったようだ。

 俺はすっかり明日のダンジョンのことは忘れ、じいさんの振舞ってくれたブドウ酒に舌鼓を打ちながらチキンにかぶりついた。


 じいさんの話を聞きながら酒を酌み交わしていたが、静かになったロロアとラミアが眠たそうに船を漕ぎ始めていたので、お開きとすることになった。

 緩んだ瞼を擦るロロアの手を引いて二階の部屋まで連れて上がる。ベッドが二つある部屋を用意してくれていたのでロロアを片方のベッドに寝かせ、俺も自分のベッドに潜り込んだ。

 俺も疲れていたのだろう、ベッドに横たわると睡魔が俺を深い眠りへ誘い、泥の様にベッドに沈んだ。


◇◇◇


 いつ眠りについたのか覚えていないが、目を覚ますと朝になっていた。


「おはよう」

「あぁ。おはよう」


 俺がベッドから起き上がる物音で目を覚ましたようで、ロロアはムクリとベッドから上半身を起こし、両手を天井に向け伸ばし「んー」と言いながら伸びをした。


「厨房を借りて朝食を作ってくる」

「おてつだいする」


 ロロアと一階にある厨房へ向かい中を覗くと暖炉に火が入れられ、じいさんが朝食の準備に入っていた。


「おはよう。よく眠れたかね?」


 じいさんと朝の挨拶を済ませると、裏手にある勝手口に指を差しながら外に井戸がある事を教えてくれた。

 宿の裏庭に続く勝手口を出ると、細い丸太で立てられ、囲われた小さな庭には(たらい)と屋根付きの井戸がひとつずつの殺風景な裏庭が飛び込んできた。

 縄の先に結ばれた桶が井戸の隣に置いてあり、雨水が入らないよう建てられた屋根の裏には滑車が備え付けられている。井戸自体には埃や枯葉が落ちないよう木の板で蓋がされてあった。

 テント張りの露店もあるが町の建物はレンガを使った石造りでしっかりとした造りになっていたもので、技術的には手押しポンプが付いた便利な井戸を想像していて少しガッカリした。それでも好奇心とは不思議な物で、落胆したわりには初めての井戸に興味が湧いてくる。


「これはこれでおもしろいな」


 井戸の中に放り込んだ桶がバシャリと井戸の中で音を立てる。縄を引っ張り水を汲み上げて井戸の隣に置かれていた大きな盥に汲み上げた水を流し込んだ。

 何度か水を汲んだあと、バシャバシャと二人で顔を洗い、盥の水を庭に撒いておいた。


 宿に戻ると素泊まりだというのに、一階フロアのテーブルに朝食が用意されていた。


「冷めないうちにお食べ」


 厨房のカウンター越しにロロアを見ながら、宿の主人は席につくよう促してきた。せっかく作ってくれたんだ、じいさんの厚意に甘えるとしよう。

 席に座って皿の上に置かれた黒パンを掴み、一口サイズにちぎろうとするが、お前は本当にパンなのか! と疑いたくなるほど硬い。

 ちぎったパンの切れ端を口の中に放り込むと同時に伝わってくるパサパサ感、しっとり感は皆無で、歯でガリガリと削るようにパンを砕いていく。サクッとしたラスクのような食感でもなく、乾燥させて固めましたと言わんばかりの、ただ固いパンとしか言いようがない。

 チラリとロロアを見てみると、スープに浸してパンを緩めてから、ふやけたパンを口に運んでいた。そうやって食べるものだったのかと、俺もロロアに(なら)ってパンを食した。


 スープは薄味と言うには薄すぎるが無味ではない。言葉にするなら素材の味と表現すればいいだろうか、具材は細かく刻まれた玉葱や人参などの野菜だけで肉は入っておらず、そこに酢を少し足したような味だ。

 蟹を食べる時は無言になってしまうと言うが、俺たちも固いパンを上手にふやけさすのに夢中で、終始無言の食事が続いた。

 そういえばギルドの酒場ではオートミールに焼いただけの肉が出されていたか。食文化はまだまだ未発達なのだろう。

 パンとスープの軽い朝食を終えて、一度部屋に戻ることにした。


 ベッドに腰を下ろした俺は、目の前にロロアを立たせた。そのまま着ている服に鑑定スキルを使用してみる。


「なるほどな」


 各衣類にはウィドウが表示され、その内容が表示された。

________________________

・品名 :ポンチョ 

・ランク:――

・説明欄:黒く染色した布地で製作された外套

________________________


________________________

・品名 :麻のシャツ

・ランク:――

・説明欄:麻布で出来た白いシャツ

________________________


________________________

・品名 :ホットパンツ

・ランク:――

・説明欄:黒く染色された布地で出来た短いパンツ

________________________


 ランクの横に引かれた線はランク外と言う事なのだろう。これでは魔法は付与できそうにないな。

 どうしたものかと考えていると、俺が何をしているのか理解できていないロロアが尋ねてきた。それもそのはず、この鑑定結果を閲覧できているのは俺だけなのだから、ボケーとロロアの洋服を眺めている様にしかロロアには見えていないだろう。


「どうかしたの?」

「ん? あぁ、魔法を付与できないかと思ったんだがな」


 そう言葉を口にしながら、今度は鞄から黒衣を出し鑑定してみた。


________________________

・品名 :黒衣

・ランク:A

・説明欄:製作時に魔力が練り込まれた極上のローブ。

雑貨屋に陳列されて以来、黒衣の在処を知る者はいない

________________________


 Aランクの黒衣、これなら試してみる価値はありそうだが……最後の一説必要か!?

 客がこなかったんだから仕方ないだろ!

 鑑定結果の一説にモヤッとしながらも、床の上に立ち上がってベッドの上に黒衣を広げ【魔法付与(エンチャント)】を発動させた。すると宙に浮いた六芒星が現れた。どうやらVRとは少し勝手が違っているようだ。

 VRなら魔法付与を発動させると、アイテムウィンドウが現れ武器や防具、装飾品を選択すると次に魔法やスキルが表示されたウィンドウが立ち上がり付与したい魔法などを選択できる。その選んだ武具類に自動で選択した魔法やスキルが付与されていた。


「なんだか難しそうだな」


 魔法付与は可能なようだが、異世界(こっち)では付与したい魔法やスキルを六芒星の紋章に封印し、それが装備品などに刻印されるみたいだ。俺は現れた六芒星に覚えている魔法の中から【魔力拡散】を六芒星に向かって発動すると、六芒星が発動された魔法を吸い込みだした。

 厳密には魔法として形作られる前の球状となって現れた魔力と言ったほうがいいのだろうか、濃い霧の塊のようなそれを吸収していくと、かわりに光る魔法文字のようなものが六芒星の周囲に現れ、文字で出来た円で囲んでいった。文字が六芒星を囲い終わると封印が完了するみたいだ。

 俺の背にロロアの視線を感じるが、封印が完了しても刻印するまでは集中力が必要とされるようで、気を抜けばせっかく封印した六芒星が掻き消えてしまいそうだ。

 指先で静かに六芒星に触れると、指に張り付くようにして移動させる事ができた。俺はそのまま指先で六芒星を黒衣の内側に貼り付けるように触れさせると、焼印が押されたように赤くなり、黒衣に六芒星の紋章を刻む事ができた。


「おわったの?」


 背後から魔法付与をしている様子を覗き込んでいたロロアが声をかけてきた。


「とりあえずは、だな」


 どうやらこれで【魔法付与エンチャント】は完了したみたいだ。

 一応試しておくか。俺は手にとった黒衣に魔力を流し込んでみると、六芒星がそれに呼応して反応を示した。刻印は一瞬だがキラリと白く発光し、黒衣は魔力を纏ったようだった。

 出力を最小限まで抑えて【炎放射(フレア)】を放ってみると、黒衣に触れた炎は魔力が拡散され掻き消されていく。


「もやしちゃったの?」

「大丈夫だ。燃えていない」


 残念そうな顔色を浮かべて聞いてきたロロアは、どうやら黒衣がお気に入りだったようだな。燃えていないことを伝えてやると「よかったあ」と口にしていた。


 それはさておき、付与は成功したようだ。【魔力拡散】と同じ要領で【物理無効】と【自然治癒】を黒衣に施していく。

 物理無効は一見完璧な魔法のようだが、向かってくる運動力(ベクトル)を魔力で相殺しているだけだ。残存魔力量を上回るほどの物理攻撃には対処しきれないし、相殺しきれずにキャパオーバーした分の衝撃は受けてしまう。それに、これを発動させている間は魔法への耐性がグンと下がってしまい、魔法攻撃が弱点になってしまうというデメリットも存在する。

 この物理無効を発動させた状態で魔法結界を使用しても、結界自体が魔法への耐性が弱くなっているため、張られた結界は脆くなってしまうので危険なのだが、多重結界を併用するか魔力拡散を発動させれば話は別だ。

 魔力拡散は発動させると外部から黒衣に触れた魔力そのものを周囲に拡散することができるため、魔法に対しては、ほぼ無敵状態と言えるだろう。あくまで魔力を拡散するだけなので、ブレスのような広範囲攻撃をする魔法には弱いんだがな。直撃した魔力を周囲に拡散しても、炎竜が扱うような炎のブレスなどでは周囲の熱気でジワジワと体力を削られてしまうからな。


 自然治癒はそのままの意味で、傷を負っても高められた治癒力が通常よりも劇的に傷を回復してくれる。あとは【身体強化】も付与したかったが、付与できる数は三つが限界らしく、黒衣に触れると六芒星が消し飛んでしまった。

 これだけ施しておけば、最悪の事態にはならなだろう。だが、魔法付与も万能ではない。あくまで装備品に施された追加魔法が使用できるようになるだけで、使用者の魔力が空になれば発動できなくなってしまう。そこで魔石の登場だ。通販番組の司会者の気分になってきたな。

 俺の魔力を溜め込んだ魔石をタンク代りに使用することで、体内魔力が少ない者でも魔石の魔力が尽きるまでは付与された魔法やスキルを思う存分使用できるようになる。


「ナイス魔石(サブタンク)


 俺の装備はこのままでも問題はないだろう。茶色いレザーの七分丈のズボンと、デニム生地の七分袖の上着もついでに鑑定してみたが、黒衣同様に魔力が込められた生地で制作されているため町の防具屋の品よりも信頼できる。

 まぁ魔法が付与されていないので防御力に関しては意味ないだろうが、それでも俺のは無しでいいだろう。わざわざ付与して発動させなくとも、自身の意思で扱う事ができるからな。

 それよりこの衣類、外観を変更できる課金アイテムだったのに魔力を内包しているんだな。


 これで準備は整った。あとはギルドでライドと落ち合うだけだが、先に食料を買い足しておくか。鞄にある食料は、ほとんど町に着くまでに食べてしまったし、調味料も昨晩底をついたからな。


◇◇◇


 西門側の食料品を扱っている露店に数軒立ち寄り、果物と干し肉、野菜類とパンを買い足しておいたが、パンはやはりカッチカチの固いパンだった。

 値段は安くお買い求めしやすいが、せめてふんわりした食パンが食べたい。どうやらこの世界のパンは中も外も固い乾燥しきったバケットが主流のようだ。

 それに香辛料の値段には驚かされた。肉類も相当に高値だったが、胡椒が干し肉を上回るとは俺には考えられないことだ。いつのことだったか、元の世界でもローマ帝国時代に胡椒が砂金と同価値だった時代があったと耳にした事はあるが、異世界でも胡椒は貴重品らしい。


 砂糖は胡椒の半値ほどだが、それでも高い。甘味類はやはり時代相応に値が張るものかもしれない。

 塩に関して生物にとっては必需品のはずだが、二種類ある塩は安い方と高い方が店先の小さな樽に入れられ並んでいた。安い塩は粗く黒いカスが混ざっており粗悪品だったため、高い方のきめ細かく、見た目も綺麗な塩を購入しておいたが、貧富の差がこんなところで露見しているとは思わなかった。

 どうりで昨晩は鶏肉料理だけにも関わらず、宿の主人がワインを振舞ってくれたわけだ。肉屋でわかったが、干し肉や燻製された肉以外の新鮮な生肉は胡椒を上回る最高値がつけられていたからな、宿の主人も気をつかってくれたのだろう。


 買出しも済み、ルーグの一食銅貨一枚程度だという説明は、宿で出される固いパンと薄味のスープの事だったのだろうと思いながらギルドに到着した。

 中に入ると昨日より少し騒がしく感じた。冒険者の連中が掲示板の前にこぞって集まっていたからだ。なにか新しい依頼でも発注されたのだろうか?


「カザミさん、おはようございます。えー・・・と」


 掲示板の前に集まっていた冒険者たちを眺めていると、入り口付近で突っ立っていた俺たちに受付のお姉さんが声をかけてきた。

 俺の名を呼んだあと、ロロアに視線を向けながら言葉を詰まらせている。そういえばロロアの名前は教えていなかったな。

 昨日から出会った人たちにロロアのことを隠そうと過敏になりすぎていたかもな。魔族であろうと名前ぐらい名乗っておかないと逆に怪しいかもしれない。それにギルドでは特に問題も起きそうにないし、教えておくか。


「おはよう。この子はロロアだ」

「ロロアっていいます」


 受付の前まで移動すると、ポンチョのフードを被ったままロロアはペコリと頭を下げた。


「ロロアちゃん、おはようございます。私はこのギルドで受付をしているミーシャです」

「ミーシャさん、おはよう」


 二人の挨拶も済んだところで、この騒がしい様子について尋ねてみた。


「地竜討伐依頼の難易度がAランクからSランクに上がったので、冒険者の皆さんが確認の為に集まっているんですよ」

「Bランク冒険者は地竜討伐依頼を受けられなくなったのか?」

「そうなりますね。ガルドさんが言うには討伐作戦実行まで怪我をされる冒険者を出さない為の緊急処置のようです」


 依頼報酬に惹かれてよそから集まってきていた冒険者が地竜の依頼(クエスト)を受けていたようだが、地竜まで辿り着く前にダンジョンの魔物にやられる冒険者が急増しているらしい。

 依頼ランクを上げたことで実質依頼を受注できるのはAランクとSランクの冒険者だけとなり、掲示板の前でボヤいている冒険者たちはランク外の者たちのようだ。

 俺も地竜を討伐したところでライドが依頼を受けられなくなった為、報酬は受け取れなくなってしまった。まぁ報酬はついでだったからいいが、それでもあてにしていた収入源が断たれたのはいたい。


「二人ともやっときたか」


 受付の前に立っていた俺たちの姿を確認したライドが、昨日は所持していなかった大きな盾を片手に、階段を使って二階から下りてきた。


「食料の買い足しをしていたんだ。それに時間は昼前といっていたが少し早く着いてしまったくらいだ」

「そうだったな、ロロアちゃんおはよう」


 ライドは腰を屈めてロロアのフードの上から頭を撫でようと手を伸ばしたが、ロロアは、ひょいっと後ろへ軽やかに退き、ペコリとお辞儀をしながら挨拶を済ませた。


 行く当てをなくした手を震わせながら、あからさまに残念そうな顔するなよ。


「それで掲示板は見たか?」


 切り替え早いな。ライドは何事もなかったように振舞っている。

 まるで最初から盾の位置が悪く持ち直そうとしただけ、と言った雰囲気で誤魔化していたが、ここは何も言わずにいてやろう。


「見てはいないが、さっき受付で話は聞いた」

「ってことで、依頼は受けられなくなってしまったが、それでもいくんだろう?」

「もちろんだ」


 ロロアも力強く頷いて、ヤル気が沸々と沸きだっているようだ。


「準備はできているのか?」


 ライドは俺たちに仕度はできたのか確認をとってくる。もちろん準備はできている。


「問題ない」

「なら行こうか」


 盾を背中に背負い直し、兜を腰にぶら下げ荷袋を片手にライドはギルドを出ていった。俺たちもその背中を追うようにギルドを後にする。

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