第四説 凍えるフェンリル
放心状態のアリス。代わりに指揮をとり始めたのは、突然現れた生徒会長の、細木真だった。四人のこれからの運命は・・・。ダイイングメッセージの意味は・・・。
第四説 凍えるフェンリル
調理室で、目撃してしまった悲劇の惨事。突然現れた生徒会長。四人は、これからどんな一手を打っていくのか・・・どんな運命をたどるのか・・・
細木は、この場から離脱することだけを考え始めた。たかが数十メートルの距離をどうやって、移動するかを。アリスの状態では、一人で歩くのは、ほぼ不可能に近い。糸島と、米沢先生は、気分を悪くしただけだから、まだ歩けるだろう。「先生、糸島。生徒会室に行く。アリスは、俺がお姫様だっこをして行くから、こんな状況で申し訳ないけど、前方と後方の安全確認をお願いしたい」「わかった。先生は後ろの安全確認をするよ」糸島君は、こくりとうなづいた。
「よっこらしょ」細木はアリスをお姫様だっこし始めた。「前は大丈夫だよ」「後ろも大丈夫だ」そんな会話にすらならないような、言葉を繰り返しているうちに、生徒会室に着いた。
だが、細木は嫉妬していた。生徒会室に行く途中にある、エレベーターがしっかりと封鎖されていたことに。細木は、生徒会長という常人では、とうていできないことをしていた。しかし、校内図一つ覚えていなかった。そのことに、深く嫉妬していた。だけど、父から言われていたことがようやく理解できた。「真、もしも嫉妬するようなことがあれば、それは仕方ないと思え。人間全知全能ではない。だからこそ、自分の武器を磨きに磨いた者こそ、嫉妬するに値する人だと思え。そして、その人を尊敬しろ」二年前に、この世を去った父の決まり文句みたいなものだった。
扉を開け、アリスを休ませた。念のため、生徒会室の鍵を内側から、閉めておいた。これで、少しは安全地帯に近づいたと思った。しかし、あの血文字と、血の海と化した調理室は脳裏に焼きついたままだった・・・
時計を見ると、まだ午前九時半だった。あの放送から、だいたい三十分経過していた。そういえば、外がやけに静かだな。そう感じた。春なのに、寒気ひどくすると思った。天気予報では、夏よりも少し涼しいぐらいのはずなのだが・・・。だけど、アリスを除いた三人は、アリスに聞けば寒さの理由がわかると、確信していた。この学校を設計したのが、アリスの母親だったからである。
アリスを除いた三人で、ダイイングメッセージについて、話始めた。「IIIーtwo Fー5」細木は、ホワイトボードに書き記した。細木は、多くの人接していたから「IIIーtwo」の意味はわかっていた。逆に、わからないといけない人が書き残した、「ラストメッセージ」なのだから・・・
嘘つきマーメイドを読んでいただき誠にありがとうございます。ここで、少し余談です。この作品に出てくる登場人物についてです。私、るるるりりりの脳内設定では、国外アリスは、超美人設定で髪の毛が黒く、長さはセミロング、眼鏡はかけていません。身長は160cm程です。友達ができない理由は、作品にも出てきた通り、恥ずかしがり屋さんだからです。しかし、やるときはやる、そんな感じのところもあります。頭は、普通よりも少し上に位置しているかんじです。あと、自分のことを普通と言わないのは、学校生活に不慣れだからです。つまり、スクールライフを充実しきれていない、ということになります。簡単にいうと、作者から言いたいことの体現というかんじです。長々として申し訳ないですけど、今を大切に、ということです。
ここまで、余談に付き合わせてしまいすみません。何かございましたら、お気軽にコメントや感想をお送りください。では、また次回、お会いしましょう。




