第三説 血塗れの城
調理室の扉を開けた国外アリス。そこに広がる光景とは。
注意 いきなり残酷な描写が含まれてきます。気分が悪い方向へいきそうな方は、ご遠慮ください。
第三説 血塗れの城
エレベーターを封鎖するために動き出した三人。国外アリスはピッキングを終え、調理室の扉を開いた。そこにあった光景は・・・
「えっ」ボソッとした声が気づかないうちに出てしまった。心の中で「嘘」という言葉しか、浮かばなかった。辺りが血に塗れていて、包丁が数丁落ちていた。私の心に何かが引っかかる。思い返してみたら、教室を慌ててでて行ったのにその後、女子の悲鳴や死を恐れる人達の声が何一つ聞こえなかった・・・。てっきり、一階にある体育館への非常階段を使って避難しているものだと思っていた。考えれば、考えるほど色々なことが普通じゃなかった。ついに、私は冷静さを失ってその場に崩れていってしまった。めまいがした。頭痛がした。吐き気がする。自分が自分ではいられなくなっていく。
肩を叩かれた。ゾッとした。全身の毛が全て抜け落ちそうになってゆく。「アリス、アリス」そう声をかけてきたのは、生徒会長の細木真だった・・・。
先生と糸島君が駆けつけてきた。その光景目の当たりにした二人も言葉を失い、その場をしっかりと目に焼き付けることができたのは、細木だけだっただろう。一言で表せる光景ではないが、少しまとめると、血の海にぽつんと浮かんでいる孤島というべきだろう。
細木は何かに気づいた。「これって、ダイイングメッセージ?」教卓の上に書かれていた血文字。
IIIーtwo Fー5
何を表しているのかは、わからない。それどころか、考えることができない。細木は、迷った。この暗号を解くか、三人を落ち着かせたのちにみんなで考えるか。
これもまた、運命の分岐点になることを知るものはいたのか?この三階に、何かがうごめいている。
細木が下した判断は、この場を離れるということ。これが最善の策になるかなんてわからない。だけど、こんな地獄絵図を見ているよりはいいだろう。そう思い、四人は生徒会室へと足を運び始めた。
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