王子ー1日目ー
何日目と書かれている場合は日記だと考えて下さい。
僕はミラに事情を説明した。幼いながらも兄が泣いてしまっては思うところがあるらしく、意固地になって説明するのを拒めなかった。
だから、僕は話した。
僕の名前が変わったこと。
みんなが僕やミラに対して今まで通りに接してくれなくなるかもしれないこと。
そして、僕たちに親といえる人がいなくなってしまったこと。
なんでこんなことになってしまったのか。それは話すことはできなかったけど、それ以外のことはほとんど全部話してしまった。
それというのも、ミラが泣かずにいてくれたからだ。僕からしては気を遣ってくれたのか、それとも純粋にミラがよく理解できていなかったのか、知ることはできないけれど、ミラが静かに聞きつづけてくれたおかげで僕は僕でいられた。
話を終えると「じゃあ、これからよろしくね、シュウお兄様!」とミラは笑った。
その少し辛そうにミラの笑顔を見て、僕は頑張ろうと思った。
何を頑張れば良いのか。ミラのためにどうあるべきなのか。僕には全くみえてないし、分からないけどとりあえず頑張るんだ。
兄として。
王子として。