事前協議のチェック項目
市役所が行う事前協議では、厳しい基準の適用がなされない。大切な基準や見逃されている違反事項などが沢山あることが、あとになって、説明会の追求でわかったが、時すでに遅し。それは全てこの二週間に出しておけば大いに役にたったはずのものだった。多くのマンションが違反を犯し、市がそれを見逃している。裁判などではそれを持ち出すことが多いが、建物を取り壊すほどの違反ではないという判決になることが多い。
そのひとつが緑地面積である。多くの市ではマンションの敷地面積の十分の一を緑地にすることを義務付けている。しかし現実にはこれを本当に満たしているマンションは少ないと言っていい。タワラコーベンも緑地の積算表を出せといっても出さず、市が十分の一以上と認めたと言うばかりであった。樹木の下に芝生があれば二重にカウントするといった逃げ道が認められているが、それでもなかなか十分の一にはならない。木の根元の日が当たらない部分を芝生にしたり、コンクリートの囲いのふちまで緑地に入れたり、個人用庭は倉庫を置いたりされるはずなのに一〇〇%芝生であるとしてみたり、様々なごまかしが用いられている。
駐車場についても、一台あたりの面積を一二・五㎡以上とする規定が多いが、機械式駐車場の多くがこの基準を満たさない。機械式駐車場の安全確認については何もチェックされていないのが普通だ。日照についても、庇やベランダ部分などの影が見落とされていたり、図面の方角がずれていたりすることもあるようだ。協議に当たるのが住民でなく、市役所の係員で、非公式に当事者抜きで行われてしまうのが最大の問題であるが、公式には住民に看板で通知して意見を言える機会が二週間の間与えられたことになっている。住民は素人で、何の準備もできていないから、この二週間を有効に使えることは希だと思われる。
我々の場合も例外ではなかった。あっと言う間に二週間が過ぎ去り、内容を業者から聞いた時にはすでに「事前協議終了通知書」が発行されていた。 「事前協議終了通知書」さえあれば、あとは建物の中身を建築基準法ぎりぎりの安値で設計して、申請すれば建築確認を手に入れることができる。建築確認さえあれば、業者にとってすべてが「合法」となるのだ。
もし、住民側の立ち上がりが早ければ、この間に市役所に押しかけ、緑地面積や駐車場面積が基準を満たしていないことを指摘できる。すでに市と業者の協議は公的なものだから、市に問い詰めれば内容を隠すことはできない。長い間に市役所と業者の癒着が出来あがっており、厳密な基準を適用せず、慣例で認可してしまっているのが現実なのだ。




