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高層マンションにSTOP!  作者: 嬉野三太郎
高層マンションを考える
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マンション自体の問題

  人口集中に対する解決策の一つとしてマンションが必要と考えられているが、マンション自体に問題のあることを忘れてはならない。東日本大震災で露呈したのはマンションの弱さだ。もちろん、駆体の強度計算が正しく行なわれておれば、耐震強度はあるのだが、それでも多くのマンションの外壁表面に亀裂が生じた。建築会社は強度上問題はないと言い張るが、目に見えるものだから、資産価値は激減する。


  マンションは戸建て住宅よりも耐震性能が良いと思われていたが、地震災害の時に起こったことはマンションでは停電の被害が重大になるということだ。高層階はエレベータに頼っており、階段での上り下りは大変なことになる。多くのマンションがオール電化対応なので、ガスは使えないので暖房も効かず、さらに開口が小さいことから、廊下などは停電で真っ暗になってしまう。低電時、高層マンションに人は住めない。


  人の出入りだけでなく、車の出入りも立体駐車場なので、停電と共に止まってしまう。外に出ていた車は、車庫に入れられないので、マンションの周りの道路はすべて車で埋まり、多大な道路渋滞を引き起こした。あらゆる安全装置が施してあると思われた原発と同じで、停電になれば、全くその機能が失われてしまうのだ。


  こうなってくると、マンションだけでなく近隣住民の交通にさえ大きな影響を与えざるを得ない。もともと、高層マンションの場合、道路は平面範囲でしか車の台数を想定していないので、周辺道路の渋滞に与える影響は大きいのだが、災害、停電の場合はまさに深刻となる。


  こうしたマンション自体の脆弱性は、災害に対してだけではない。経年変化による劣化も必ずあり、初期のマンションについてはすでに建替えの問題が浮上してきている。マンション住民にもそれぞれの事情があり、建替えの時期に関して一致できるはずが無いのだが、一気にやるしかないのは根本的な矛盾だ。


  これまでの日本では、人口は増加して、住宅需要は増大して行くことが大前提であったが、今や日本の人口は減り始めている。当然、将来においては住宅は余ってくる。空き部屋が多ければ建替え問題はさらに難しいだろう。住宅が余る情況では、おそらく、住宅の質に重点が置かれるようになり、基準の引き上げが行われる。そうなると、現在建てられているマンションの多くは、基準を満たすことが出来ない「既存不適格」の建築物になる。


  現在、建替えに使われている手法は、高さを増やして部屋数を増やし、その販売収入で建替え費用を低減させることだが、これは確実に出来なくなる。マンション住人は遠い将来の不安を絶えず抱えて行かねばならないだろうし、そういったマンションがある地区の住民すべてにそれが影響するだろう。


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