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高層マンションにSTOP!  作者: 嬉野三太郎
工事車両を通すな
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We Love Hyakugen

  解体工事の開始が近づいた十一月二十五日、百原一丁目の全住民に呼びかけて「11・25 We Love Hyakugen 集会」と言うのをやった。いわば住環境を守る会の総会のようなものだ。これまでの運動を総括し、来るべき事態に足並みを合わせるためである。運動が始まって以来、住民は毎週集まって今後の対策を協議してきた。この集まりには住環境を守る会のメンバーは誰でも参加でき、話し合いは極めてオープンに行われた。しかし、この集まりに来るのは常時十名程度で、そのメンバーはだんだん固定化されていった。


  積極的なメンバーだけで物事を決めて行けばだんだん運動は先鋭化して行く。場合によっては解体業者と物理的な衝突が起こりかねない状況で、わずか十名程度の人たちが二〇〇名もの会員を代表した方針決定ができるのかという疑問が出てきた。これを提起したのはどちらかと言えばあまり運動に積極的ではなく、運動の先鋭化により、住民の間に溝が出来ることをまず第一に心配する人たちだった。必死になって各家を回り、住環境を守る会の立ち上げに関わった人たちの中にはこれを運動に水を差す発言として反発する向きもあった。


  しかし、この問題提起は考えてみれば当然のことであり、多くの人は住民全体の意思を確認せずこのまま突っ走るのはまずいということに気がついた。どうしたらいいのだろうか。ともかくも話し合うことだ。百原一丁目の人たちに集まってもらい、経過を説明しよう。そんなことでこの「11・25 We Love Sengen 集会」が企画された。マンションの建設阻止は本当に住民の意思なのか。付き合いで会員にはなってくれたが、実はどうでも良いことなのかもしれない。集まってもらおうとしても誰も来てくれないのではないか。そんな不安も持ちながら呼びかけた集会は成功し、六〇人ほどもの人が集まった。


  経過説明や会計報告、方針提起など分担して報告したが、全員がスライドファイルを準備してプロジェクターを使っての発言となった。あとでこの話をしたら、いかにも学園都市らしいと言われた。確かに地域住民の集会で全員がプロジェクターを使うということはまだ珍しいことではあるだろう。車両制限令による大型車両の進入阻止についてもここで話し合っておいた。こういった運動の行動方針は住民の間で良く話し合っておくことが大切だ。一部の人で暴走してもうまく行かない。全部の合意では前に進まないかもしれない。しかし、良く話し合うことは絶対に大切だ。


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