地域協定のまやかし
何度も市役所とやり取りをした中で聞かされたのは、地域協定と言う言葉だ。地域協定で建築基準法に上乗せして規制をかけることができることになっている。だから、住民が高層マンションに反対なら、地域協定を作りなさいと言う。地域協定が出来ないのは住民の責任であって、市役所の関与するところではないと突っぱねる。
市役所は高層マンションに反対の立場は取らない。いくら現状が低層住宅地であっても、それを固定化する法律は無いし、市が都市計画で固定化することも考えていない。住民同士のイザコザに市役所は介入しないとの立場を崩さない。住民は市民であり、ディベロッパーは外から来て、この地に住むつもりもない会社であることを見ようとしないのだ。建築基準法以上のことは、住民が地域協定を結んで規制すればいいのだと言う。
市内には地域協定で低層住宅しか建てられない地域が現実にある。これを見習えば良いことになるのだが、実はこの地域協定というのは絵に描いた餅でしかない。この協定には地権者全員の一致が必要なのだ。現にマンションを建てようとしている地権者がいるのだから、全員一致ができるわけが無い。
では、どのような所で地域協定が成立しているかといえば、それはディベロッパーが開発整地して、××ニュータウンなどと銘打って売り出した区画宅地だ。あらかじめ設定された地域協定に賛同する人だけが購入する宅地だからこの場合は問題がない。そもそも、そのような建て売りに近いような住宅区域なら高層マンションを建てるような敷地はないから、協定もいらないだろう。既存宅地では、不動産業者が所有する部分が必ずあり、協定を全員一致で作ることなど不可能で、地域協定は市役所が住民の側に立たない言い逃れでしかない。
住民が困ることを訴えても、世の中は動かない。法律は必ずしも住民の味方ではない。だから裁判を起こしてまで争ったこれまでの多くの闘いも、多くは結果的には敗北に終わっている。最初からとてつもない困難につきあたりながら、運動はスタートした。




