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序章

 真夜中に目が覚める。寝汗で気持ち悪い、悪夢を見てしまったようだ。最近はあの悪夢を見る機会が減ってきたのに、何か嫌な感じがする。しかし、明日も朝早くから仕事に行かなければ。すぐに横になるが、中々眠れない。「久しぶりに見たかな」天井をみながらつぶやく。記憶喪失の当初は毎晩この悪夢にうなされたが。今は教会に住んでいるが、いつかは出て行かなくてはいけないと思う。いつまでもここにいるシスターに甘えるわけにはいかない。でも未だに記憶が戻らない。その時入口のドアが開き、シスターが来た。

「カインさん、大丈夫ですか?」どうやら唸り声がシスターの寝室まで聞こえていたようだ。

「大丈夫ですよ。悪い夢を見ただけですよ、心配してくれてありがとう」返事をするが、シスターの心配顔が消えない。

「本当に大丈夫です。それより早く寝た方がいいですよ、シスターも俺も早朝から仕事ですから」

「そうですね、おやすみなさい」シスターは寝室に戻った。シスターは毎日大変だと思う。子供達の食事を作り、身の回りの世話をして、その上勉強まで教えている。ここは教会だが、孤児院も兼ねている。日増しに孤児の数が増える。原因は数年前に起こった内乱。ここにいる孤児を見るとかわいそうだ。いつも心の中で思う「クソ政治家」色々考えてたら眠たくなったもう寝よう。

 翌朝俺は作業着をきて、シスターの作った朝食を食べて仕事に向かった。俺の仕事は馬車を使っての荷運びが仕事だ。今日もゲイルさんが馬車の準備をしていた。ゲイルさんは俺の雇用主でもある。

「ゲイルさんおはようございます。今日はどこまで配達ですか?」

「おはようカイン。今日はボウモアの街に食料品の配達じゃ」ボウモアあまり行きたくない街だ。なんせ治安が悪い。俺は顔をしかめる

「なんじゃ、カイン嫌そうな顔をして、ボウモアだから身入りのいい仕事じゃ」ゲイルさんは笑を浮かべる。

「わかってますよ俺もお金が必要だから、でもあまりこれを使いたくないですが」俺はゲイルさんに右手の紋章魔法と紋章銃を指差した。記憶喪失だが、これらの扱いに俺は長けている。

「カインは傭兵なのでは?それより記憶の方はどうじゃ、何か思い出したことは?」矢継ぎ早に質問をしてくるゲイルさん

「何も思い出せませんよ。でもゲイルさんの言うとおり、傭兵かもしくは兵士でもしてたかもしれません。全く何も思い出せないですけど。」ため息をつきながら言った。

「まあ、ゆっくり思い出したらいい。わしはお前さんのおかげで儲けられる」ゲイルさんは荷物を馬車に積みながら

「そうですね、俺もゲイルさんのおかげでシスターに恩返しができますし」俺もゲイルさんと一緒に荷物を馬車に積んだ。馬車に荷物を積み終わると、ゲイルさんが馬にムチをやると馬が勢いよく駆け出した。

「カインよ、もし賊が出た時は紋章魔法を使ってくれよ。特に最近は食料品の品薄で賊に襲われる確率が高いからじゃ」俺はゲイルさんの顔を見て、「わかってますよ」頷く。

「ゲイルさん、最近ボウモアに行く事多くないですか、2、3日前もボウモアでしたよ」俺はゲイルさんに尋ねた。

「実はな他の同業者がボウモアの街に行かないんじゃ、もうボウモアに行く運び屋はわしらだけなんじゃ。確かに危険も多いがその分報酬もいい。ほかの街に比べて3倍も出してくれる」ゲイルさんは笑顔で答えてくれた。

「それでボウモア行きが増えたんですね。まあ仕方がないか」俺は右手を見て、ため息をつく

「紋章魔法使うのが嫌なのか」ゲイルさんが俺の顔を覗く

「まあ仕事なんで、必要になったら使いますよ」俺は御者台から後ろの荷台の方に移った。いつも通り馬車の操作はゲイルさんに任して、俺はいつもの荷台の空きスペースに座る。そして賊が出たら、紋章魔法と紋章銃で追い返す。俺は運び屋と言うより、用心棒と言う方が合っているだろう。





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